陽だまりの偽り
![]() | ![]() | 陽だまりの偽り (双葉文庫 な 30-1)
著者:長岡 弘樹 |
☆☆☆
そう、これは心理ミステリというジャンルになる小説だな。読者は常にストーリーを俯瞰しながら見れるという感じがする。予期せぬ災いや、知ることの無い秘密が暴かれる、また不可抗力とさえ言える不幸の連鎖などなど。
で、それらの当事者たる面々は、老人であったり、母と子であったり、上司と部下であったりと、ごく普通の一般市民である。それだけに降り掛かる災難にしても妙にリアリティがあるんですね。というか、元ネタがあるのかと言うくらいの出来栄えであります。
『陽だまりの偽わり』 『淡い青のなかに』 『プレイヤー』 『写心』 『重い扉が』の全五編収録。それぞれの事件の傍らに「優しい嘘」とでもいうキーワードが見え隠れします。こういう話をもっと読んでみたいと思いました。
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