ウタ・歌野晶午

2013年3月 5日 (火)

コモリと子守り

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☆☆☆ 著者:歌野晶午 販売元:光文社 発売日:2012/12/15

内容(「BOOK」データベースより)

窮地に陥った引きこもりの友を助けるため、勉強と育児に忙しい17歳の舞田ひとみが、前代未聞の幼児誘拐事件に挑む!巧緻きわまりない本格ミステリーにして、誘拐ミステリーの新たな傑作。

う~む。これはなかなか調子良くプロローグから入れて、適度なフックを感じつつ黙々と読み進む、そして「あっ」という仕掛けがそこいらにある筈でした。

そもそも連作小説と知らずに手にした不幸(!)途中で知るも、最早単体小説としての楽しみ方に入っておりました。

所謂「ゆるミス」というカテゴリーらしいのだが、ホント何だかなぁ~と思ってしまう展開。いや、場面場面の切なさか…子供をダシにした感がね。

で、誘拐そのものには「トリック」といい流石ですか、と唸らせるところもあり、なかなか目が離せない状況も続きました。

やはり本シリーズは、舞田ひとみが好きになれるか、理解出来るかによってそのエンタメ性が計れる様な気がします。どうにもね。

2012年8月17日 (金)

春から夏、やがて冬

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☆☆☆+ 著者:歌野晶午 販売元:文藝春秋 発売日:2011/10/15

内容(「BOOK」データベースより)
スーパーの保安責任者の男と、万引き犯の女。偶然の出会いは神の思い召しか、悪魔の罠か?これは“絶望”と“救済”のミステリーだ。

これ冒頭のシーンから嵌りました。スーパーの保安員の男と万引き女(!)いきなりの対峙からするとこれは盛り上がらないでか。

で、意外に良かったなと思うのがその後に続くグダグダした関係(笑)これ、誤解の無いようにお伝えするのはムリ(!)なもんで読んでください。

でで、今回はどんな仕掛けがあるのか、もう自分は著者の罠に嵌ってるのか…などなど読破しながら疑心暗鬼になる始末。

まぁ、そんな所が心地好かったりして困ったもんだ(笑)で、登場人物も増える事無くというか無駄無くでしょうか、ストーリーは佳境に入ります。

と思う間もなく披露される今回のトリック…いいのかこれで。いや、もうひと捻りあるに違いない。と、気を揉ませながらの読了でした。

う〜む。これ以上語りたくない気がしたもので…謝謝(笑)

2011年7月 7日 (木)

ハッピーエンドにさよならを

ハッピーエンドにさよならを (角川文庫)Bookハッピーエンドにさよならを (角川文庫)

著者:歌野 晶午
販売元:角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日:2010/09/25
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆

内容紹介
望みどおりの結末なんて、現実ではめったにないと思いませんか?もちろん物語だって…。偉才のミステリ作家が仕掛ける、ブラックユーモアと小説的な企みに満ちた奇想天外のアンチ・ハッピーエンドストーリー!

歌野さん得意の人物トリックや状況トリックの技が小出しに堪能出来る短編集です。しかしこう言っては何ですが、どれも犯人もしくは結末が読み始めてすぐ判ってしまうんですよね。

短編だからどうしてもトリックの仕込みもコンパクトにならざるを得ないのでしょうが、まさかそんな訳ないよなぁ…と思っていると、そんな訳だったりします(笑)。

いくつかの話では著者特有の「ざわざわ感」みたいな雰囲気も楽しめましたが、やはり長編での大風呂敷を広げたような大胆不敵なトリックに期待してしまいます。全11編収録。

2011年6月22日 (水)

密室殺人ゲーム王手飛車取り

密室殺人ゲーム王手飛車取り (講談社ノベルス)Book密室殺人ゲーム王手飛車取り (講談社ノベルス)

著者:歌野 晶午
販売元:講談社
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☆☆+

内容(「BOOK」データベースより)
“頭狂人”“044APD”“aXe”“ザンギャ君”“伴道全教授”。奇妙なニックネームをもつ5人がインターネット上で殺人推理ゲームの出題をしあっている。密室、アリバイ崩し、ダイイングメッセージ、犯人当てなどなど。ただし、ここで語られる殺人はすべて、現実に発生していた。出題者の手で実行ずみなのである…。茫然自失のラストまでページをめくる手がとまらない、歌野本格の粋。

こやつらの「バーチャル飲み会」、これ何かに流用出来そうだな。「バーチャル誕生日会」とか、誰も参加せんかったりして(!)寂し過ぎるか。そんなどうてもいいような小ネタに引っかかりながら読み始める。が、なかなか入っていけません。

で、本題の方はというと、これまで読んだ歌野作品とは毛色の違うテイストです。とはいうものの、ベースにあるシニカルなテーマは色濃く受け継いでおりますが。ミッションを遂行するややこしいコードネームというか、ハンネのメンバーたちは覚えきれません。

誰が誰というのではなく、各々の性別、年齢、職業、などなどを推測する方が楽しめましたね。最後の方、ごちゃごちゃになりこりらも読破体力落ちて来たので、そこらへんあやふやなままでした。

ま、チャット上での殺人ゲームがリアル殺人となり、いやはや頭の中はもう混乱の極みなのでした。う〜む、かなり面白かろうと踏んでいたのだが、この手の話についていけない自分を発見しました(笑)。

2010年4月24日 (土)

そして名探偵は生まれた

そして名探偵は生まれたBookそして名探偵は生まれた

著者:歌野 晶午
販売元:祥伝社
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☆☆☆

内容(「BOOK」データベースより)
三月には珍しい雪の日、伊豆の山荘で惨劇は起こった。殺害現場となったホールは完全な密室状態だった。犯人はどこへ消えたのか?社内懇親会で集められた二十人の中に犯人が?事件の解決に名探偵・影浦逸水が乗り出したが…。『生存者、一名』『館という名の楽園で』を収録した密室トリック三部作。

まず一話目の『そして名探偵は生まれた』ですが、ライト感覚なタッチで軽快に読み進みます。名探偵とその助手に、かしましい娘二人が絡み「雪の山荘」の密室殺人に挑みます。で、劇中劇の如くテレビドラマのストーリーが交錯するなど、少々判りづらい描写もあり途中テンションが下がりました。終盤はぐだぐだになりましたが、こういうオチもありかなと。

『生存者、一名』は以前、単独作品として文庫で読んでいました。何か損した感じだな。なので感想についてはこちらをご覧ください。こうしてみると、今回の収録作の中でも一番完成度の高い作品ですね。凝ったラストには唸らされました。

最後の『館という名の楽園で』は、その何ともロマンチックな悲劇を予感させるタイトルに期待しました。子どもの頃の夢を現実にした男のシナリオを演じることになった学生時代の仲間たち。「西洋館」を舞台にした仰々しくも、わくわくする展開ですね。そしてこの館の主たる夫婦には、その結末も含め楽園であったのでしょう。

それぞれ違ったシチュエーションの密室もの3作を収録しており、ささやかな贅沢さが味わえる中編集でした。

2010年2月 1日 (月)

女王様と私

女王様と私Book女王様と私

著者:歌野 晶午
販売元:角川書店
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☆☆☆+

内容(「BOOK」データベースより)
真藤数馬は冴えないオタクだ。無職でもちろん独身。でも「引きこもり」ってやつじゃない。週1でビデオ屋にも行くし、秋葉原にも月1で出かけてるし。今日も可愛い妹と楽しいデートの予定だったんだ。あの「女王様」に出逢うまでは。彼女との出逢いが、めくるめく悪夢への第一歩だった…。

いきなりの女王様との出会い。そして段々その正体がわかって来るのだが、この辺の記述は流石というかまんまと意表を突かれます。と同時にオタク奴隷についての情報も。なかなか笑える描写が続くのでどういう種類の小説を読んでいるのか混乱したりする。ま、タイトルから想像するモロSMものではなくて安心しましたが。

一応、ミステリというか、見方によってはハードボイルドタッチで話は進みますが、このオタ男の脳内ではすべてがファンタジーと化しているのではないかと思う。リアルとバーチャルが入り乱れてのオタ男の夢実現デートから殺人事件まで、ジェットコースター的なドラマ仕立ては意外と心地好いな。

で、いよいよゲームオーバーか、はたまた次なる一手は…結果、予想が見事に的中しました。いまどき特に目新しくもない展開ですが、飽きずに読ませるのは妹絵夢の放つ独特の語尾のつくしゃべり。これ特筆すべきところです。今回も著者のトリックとテクニックを楽しめましたが、人によって評価の分かれるところかもです。

2010年1月27日 (水)

ガラス張りの誘拐

ガラス張りの誘拐 (角川文庫)Bookガラス張りの誘拐 (角川文庫)

著者:歌野 晶午
販売元:角川書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆

出版社/著者からの内容紹介
犯人の目的は何なのか? 偉才が放つ驚天動地の誘拐ミステリ!警察をてこずらせ、世間を恐怖に陥れた連続少女誘拐殺人事件。犯人と思われる男が自殺し事件は解決したかに見えた。しかし、事件は終わっていなかった。刑事の娘が誘拐されてしまった…!驚天動地の誘拐ミステリ。

目次を見てまず思うのは「えっ?」ということ。第一の事件から第三の事件までが順不同でパート分けされている。どゆ意味(!?)大まかにいうと、二編からなるストーリーといいますか。いやいや、そう簡単に括れる話でもないような…。

この反抗期の娘について、衝撃の事実が明らかになるのだが…受け入れるの早過ぎではないのか父。とかなんとか思っていると、もっと肝心なことがぼんやりとその輪郭をあらわす。段々、犯人像がイメージ出来てきた。まさかとは思うのだが。

で、今回もその犯人と結末に啞然というか、いやはや荒唐無稽さは増幅するばかりなのか。がしかし、結果オーライというにはあまりにも酷過ぎるのでは。この犯人の理屈と手段が明らかになったあとでは…。

2010年1月20日 (水)

生存者、一名

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生存者、一名(祥伝社文庫)
著者:歌野晶午
販売元:祥伝社
Amazon.co.jpで詳細を確認する


☆☆☆

内容(「BOOK」データベースより)
鹿児島の遙か沖の孤島、屍島に六人の男女が降り立った。彼らは都内で爆弾テロを行なった四人の実行犯と二人の幹部だった。翌日、幹部の一人が船とともに姿を消し、残りの五人は文字通り絶海の孤島に閉じ込められた!組織に対する疑心と、食料をめぐる仲間同士の暗鬼。やがて、一人また一人と殺されていく…。犯人は誰か?そして、最後に生き残る者は。

最初、六名でスタートして、一人、また一人と消えて行く。まさにサバイバルゲームを地でいくわかり易いストーリーですな。途中、犯人を示唆する重要な場面とかあるのだが、果たして気付くかな。

冒頭での生存者発見の新聞記事が、ある種の暗示になっているんだな。これが最後に効いてくる。結末に向かって一気に突き進む中編小説なので、余計なぜい肉がなく集中して読めました。

犯人は何となくそうかなと思っていたらそうでした。しかし、タイトルの意味するところまでは及びませんでしたね。いい意味、裏切られました。落ちも二段構えになっているし、最後まで気が抜けません。

2010年1月17日 (日)

世界の終わり、あるいは始まり

世界の終わり、あるいは始まり (文芸シリーズ)Book世界の終わり、あるいは始まり (文芸シリーズ)

著者:歌野 晶午
販売元:角川書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆

出版社/著者からの内容紹介
私の子供が誘拐犯なのか? 新境地を切り開く衝撃のサスペンス!東京近郊で連続する誘拐殺人事件。被害者たちの父親の名刺がすべて、なぜか私の子供の部屋にある。そのとき父親がとった行動は?衝撃の長編サスペンス!

整理された事件の時系列とストーリーのスピード感でぐいぐいと引き込まれる序章。連続誘拐殺人という物々しいサスペンス。いろんなシュミレーションを通して犯罪心理の応用とでも言うべきストーリーへと展開していきます。

で、ひとつの仮説に入り込んだと思ったらリセットされ…その繰り返しに少し閉口してきた。その反面、次はどうなるんだ(!?)という期待感が増幅されまた入り込んでしまう。きっと読み疲れしたのかもしれないな。

がしかし、このエンディングはどうも…お茶を濁されたようでもあり、面食らいました。いかにもな鷹揚なタイトルからすれば、あまりに安易かつ稚拙な終焉に走ったと解釈されても致し方のないところでは…。

2010年1月 8日 (金)

葉桜の季節に君を想うということ

葉桜の季節に君を想うということ (本格ミステリ・マスターズ)Book葉桜の季節に君を想うということ (本格ミステリ・マスターズ)

著者:歌野 晶午
販売元:文藝春秋
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☆☆☆☆

内容(「MARC」データベースより)
ひょんなことから霊感商法事件に巻き込まれた「何でもやってやろう屋」探偵・成瀬将虎。恋愛あり、活劇ありの物語の行方は? そして炸裂する本格魂! 歌野晶午スペシャル・インタビューなども収録。

人間の「思い込み」というものを逆手にとってまんまと読者を引っ掛ける。う〜む。まさにしてやられた感じです。驚愕に値すると言っても過言ではないな。そしてこれは小説だから成立するトリックですな。映像化してしまうと…おっとネタバレ注意でした。

軽妙な会話のやり取りとか、格好つけた仕草とか、そこいら中にトリックの伏線が張られていたんだな。まったく気づかずにスイスイと読んでしまった単純なわたしがそこにいた。で、気付いた時には驚くと同時にニヤリとさせられる。しかし過去のパートの猟奇的殺人にはちと腰が引けそうになりました。

何にせよ最初の一行から利いているんですよね。イメージというか先入観を植え付けられるということ。だから終盤の大どんでん返しには啞然とさせられ、同時に笑いが込み上げて来ました。しかし読み終えてみるとなるほどこのタイトルはロマンチックだなとわかります。


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