ヒク・樋口毅宏

2012年2月14日 (火)

雑司ヶ谷R.I.P.

6976753

☆☆☆ 著者:樋口毅宏 販売元:新潮社 発売日:2011/2

内容(「BOOK」データベースより)
一代で巨大教団を築いた雑司ヶ谷の妖怪が死んだ。新教祖就任に向けた儀式と抗争の進む「現在」と初代教祖の戦前戦中戦後の受難の「過去」が交錯する。『さらば雑司ヶ谷』『民宿雪国』著者の最新最高傑作。

太郎と徹平のアナーキーでナイフの切っ先のような台詞には、読む程に覚醒するものが確かにある。そしてさらりと残虐な事をやってのける。デパ屋での一件とか、これほど鬼畜な描写は見たことない。

しかし、切れのあるブラックユーモアにはドキリとさせられる。やはり読んでいて好みがはっきり分かれる作品ですね。のらりくらりと読ませるかと思いきや、いきなりスピードアップするギアチェンジは相変わらず小気味いいな。

とはいえ、新興宗教の世界をおちょくってみせる俯瞰目線はなかなか。どこまで続くのかイラつかせるこの空気。しかし雅子の存在が利いている。もっと強烈に突き抜けるような衝撃へとエスカレートしそうだ。


2011年9月23日 (金)

民宿雪国

民宿雪国Book民宿雪国

著者:樋口毅宏
販売元:祥伝社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆

内容(「BOOK」データベースより)
ある国民的画家の数奇な生涯を描いたエンターテインメント。期待した展開が何度も何度も裏切られ、物語のラストはとんでもないところに着地する。昭和史の裏面に挑む怒涛の長編書下ろし。

プロローグからの流れはよくある事件の予感をさせるものだが、いきなりの急展開で…おっとネタバレ厳禁だ。とにかく口あんぐりのジェットコースター落ちにびっくり(!)いやぁ、何かしでかす著者だとは思っていましたが(笑)。

読んでいて不意にハッとさせられる。主人公の秘密が何かの拍子に晒されるという風に。ただし回想描写で前後する時代背景の変化があまり感じられなかったな。そこら辺のこだわりは希薄なんですね。

イニシャルで表現される「雪国」にかかわりのあった人たち。暗黒史に名を連ねる人物たちをモデルに苦しいこじつけで力技を発揮する著者。読んでいて苦笑しましたが何とか辻褄を合わせる所が凄い(!)で、後半はパワーダウンでした。

2010年1月 3日 (日)

さらば雑司ヶ谷

さらば雑司ヶ谷Bookさらば雑司ヶ谷

著者:樋口 毅宏
販売元:新潮社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆+

内容(「BOOK」データベースより)
俺はここで生まれ、育ち、歪んだ。東京の辺境、雑司ヶ谷。この町に別れを告げる前に“大掃除”をしておく。霊園から、あの世へ送り出してやる。復讐と再生、中国マフィア、新興宗教…ひねりと笑いに満ちたH&V小説。

キレがありテンポのいいストーリーには、フィルム・ノワール的な陰影のある映像美を連想させる。実際の事故がモチーフとなっており、リアリティと緊迫感あふれる描写がはなかなか。読んでいてあの馳星周著『不夜城』をよりポップにしたみたいな小説だなと思っていたら、あとがきでリスペクトしていると記されていた。

かつての仲間との敵対関係や直接対決など、どこかチープな匂いがして面白かったな。どこがどうと言うのでなく、拳銃を入手するときのエピソードとか小咄的なネタが盛り込まれて可笑しかった。元カノとの再会とある疑問についての「俺」の歯切れの悪さがちと気になりましたが…大勢に影響なしと言った所でしょうか。

雑司ヶ谷の描写については地元っ子の著者の独壇場ですね。御会式のことなど地元の人間しかピンと来ないくだりがあったりする。心地好いスピード感で、一気読みの醍醐味を堪能するにうってつけの一冊ですね。

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