ササ・佐々木譲

2013年4月14日 (日)

人質

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☆☆☆ 著者:佐々木譲 販売元:角川春樹事務所 発売日:2012/12/17

内容(「BOOK」データベースより)

5月下旬のある日。生活安全課所属の小島百合巡査部長は、以前ストーカー犯罪から守った村瀬香里との約束で、ピアノのミニ・コンサートへ行くことになっていた。香里よりひと足先に、会場である札幌市街地にあるワイン・バーに着いた小島は、そこで人質立てこもり事件に遭遇する。

冤罪事件というキーワードに引きずられていると途中で違和感を覚える。それは今回の主役となる小島百合のように。

このシリーズにしては事件に動きの少ない篭城もの。よってほとんどがワイン・バーでの密室描写となっており、多少の退屈感も(笑)

プロローグでの前フリが何となく事件全体を暗示しているのだが、人質のメンバーにあまり意味の無い人物とかがいてややこしい。

今回はツィッターがあたり前のように犯罪の連絡手段として使われている。これからSNSを駆使して作品にトラップを仕掛けるなんてことも増えるんだろうな。

2013年3月10日 (日)

回廊封鎖

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☆☆☆ 著者:佐々木譲 販売元:集英社 発売日:2012/8/3

内容(「BOOK」データベースより)

六本木のコンプレックスビルで開催される国際映画祭。アジアン・スターが招待される裏で、香港で実業家として成功する男の来日が噂されていた。羨望を一身に背負った男を標的に、「ある計画」がひそやかに、熱く動き出す。魂が震える、犯罪小説の最高峰。

実業家一族のモデルとなった消費者金融会社と当時の社会情勢が思い浮かぶ。しかし主要人物が年配者のせいかどうにも地味な滑り出しだな。

映画祭のレセプション会場という華やかなステージでクライマックスを迎えるまでの静かな伏線。もっと主演女優の絡みとか欲しいところです。

後半の襲撃に至る件からの加速具合はなかなか。じわじわとした緊迫感と一抹の不安感。本当のプロではない人間たちによる襲撃計画。

そして対峙する側の冷酷なボディガードとの対比。銃撃戦では日本の警官がどうにも間抜けに見えるなぁ。いや、実際こんなものなのかと納得しそうです。

2012年2月 1日 (水)

北帰行

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☆☆☆+ 著者:佐々木譲 販売元:角川書店 発売日:2010/1/29

内容紹介
六本木界隈で組長狙撃事件が発生した。現場から立ち去ったのはロシア系の女と日本人の男。その行方を執拗に追う暴力団、警視庁組織犯罪対策部。東京、新潟、稚内。東日本をまたにかけた緊迫の逃亡劇、戦慄のラスト!

ロシア人女性を空港からアテンドするオープニングは、乾いた空気の中に華やかなイメージが湧く。行き先がディズニーリゾートのホテルなので尚更カラフルに(!)

スリリングでスピーディーな展開は、まさに主人公巻き込まれ型のクライムノベルの真骨頂(!)こういうセミプロ的なロシア人女ヒットマンは実在しそうだ。それにクールなキャラが惹き付けますね。

一方、相棒となってしまった、まったくもってのカタギの旅行アテンド業者。しかし意外なタフさを見せて、ヤクザ&マフィアたちと互角以上に渡り合う頼もしさ。

裏をかく逃亡ルートと更に深読みする追っ手との攻防戦。エンディングに向かっての加速はロマンスあり、バイオレンスありでぐいぐい引き込まれます。

がしかし、もはやお約束とも言える予想通りの終焉が、チラチラと透けて見えていた気がするな。う〜む、ちと惜しいです。

2011年12月15日 (木)

仮借なき明日 (集英社文庫)

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☆☆☆+ 著者:佐々木譲 販売元:集英社 発売日:改訂新版 2010/4/20

内容説明
直木賞作家の傑作ハードボイルド
メーカー企画室勤務の原田は、常務に海外工場の監査を命じられる。そこは、ギャングと汚職警官がはびこる街だった。悪を追いつめ、狩りたてる男を描く傑作ハードボイルド!

監査役の「堅気に見えない」サラリーマン亮平がフィリピンの現地工場へ乗り込む。いきなりヤクザ者にカモにされる件など、冒険小説のノリも全開です(!)

現地の権力者に警察にならず者とお約束通りのキャスティング。予想通り三つ巴の抗戦になるのか(?)エッジの利いた駆け引きが如何にも東南アジアですね。

人事について対立する亮平と支配人。二人のやりとりを聞いていると、どうも支配人の言い分に肩入れしたくなるな。

こういう小さな山場が幾つもある展開はスリリングで小気味いい。舞台がフィリピンという政情の不安定な国でのゆる〜い緊張感も盛り上げます。

あと謎といえば冒頭に登場してキーマンになると思われた優子なるボランティア学生。途中から消えてしまった。久々の人物消失トリックか(笑)

かれこれ20年近く前の作品なのだが、当時これを読んでいればさらに疾走感を間近に享受出来たと思う。バブル時代の余韻なのか海外進出企業を舞台にしたりスケール感のある作品に恵まれていた頃ですね。


2011年12月 6日 (火)

廃墟に乞う

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☆☆☆ 著者:佐々木 譲 販売元:文藝春秋 発売日:2009/7/15

内容(「BOOK」データベースより)
13年前に札幌で起きた娼婦殺害事件と、同じ手口で風俗嬢が殺された。心の痛手を癒すため休職中の仙道は、犯人の故郷である北海道の旧炭鉱町へ向かう。犯人と捜査員、二人の傷ついた心が響きあう、そのとき…。感激、感動の連作小説集。

職場復帰を目指す道警の警部補の再生物語。しかしそんな堅苦しさはなく、療養に来た湯治場でのんびりくつろぐ様子など紀行ものを読んでいる錯覚に陥る。わけないか(笑)そんな刑事のオフの日常を追う。

道内での色んな地域性を活かしたロケーションは素晴らしいが、それが事件そのものに深く関わるという程の必然性もない。行く先々でかつての先輩や同僚に再会しながらのストーリー展開。決して重たくならないのがいい。

最後の章では休職の原因となった当時の事件状況が明かされるが、元はといえば自業自得ではないか。刑事として如何に鈍感であったかが振り返られる。逆にリアリティを感じましたね。

これまで読んだ著者の作品群からすれば物足りないのも確か。抒情的な描写で事件に表情を与えているのでしょうが、あえて直木賞というなら別の著作が相応しい。ま、時期と作品のタイミングもあるけれど。全6編。


2011年10月14日 (金)

警官の条件

警官の条件Book警官の条件

著者:佐々木 譲
販売元:新潮社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆+

内容(「BOOK」データベースより)
都内の麻薬取引ルートに、正体不明の勢力が参入している―。裏社会の変化に後手に回った警視庁では、若きエース安城和也警部も、潜入捜査中の刑事が殺されるという失態の責任を問われていた。折しも三顧の礼をもって復職が決まったのは、九年前、悪徳警官の汚名を着せられ組織から去った加賀谷仁。

この滑り出しは良かった。前回の『警官の血』で加賀谷に彼女を寝取られた安城の心境が切々と綴られていただけに、その後の処理がどうなっていたのか大いに興味のあるところでした。

にしても警部として復職なった加賀谷。裏世界へ顔出しするなり丁重なもてなしを受けるあたりカッコ良すぎだ(!)伝説の刑事として名を馳せていただけの事はあるな。その対比として円城の器量の小ささが浮き彫りになる。

事件や捜査内容よりも警察官としてのヒューマニズムを主眼に置いているだけに、多少展開上で都合の良い描写もあったりする。がしかし、組織の中で自分の存在感を誇示する加賀谷の本心を探る楽しみ。これに尽きます。


2011年8月23日 (火)

密売人

密売人密売人
販売元:買う市ブックス
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☆☆☆

さまよえる監察ファイル。裏切り者はどこにいるのか...?狙われた自分の協力者を護るため、佐伯警部補の裏捜査が始まった。

同時進行で発覚する三つの殺人事件。それぞれが道警捜査員の協力者だったという、何やら奥深い闇を示唆するオープニングです。前作の粋なエンディングの読後から数ヶ月(!)いやぁ、待ちわびましたよこの日を。

佐伯はじめいつものレギュラー陣は各事件へ三分割されての行動。よって立ち上がりから場面のスイッチングが頻繁で以外と集中出来なかった。が、勝手知ったる面子なのでストーリー自体はブレなくサクサクと読めますね。

やたらと警察OBが出て来る。みんな天下り先でご活躍のようで。このご時世、こういう立場で微妙な役回りを演じる連中には反感を覚えます。これまでの事件に比べて地味な案件だったので、あっちの方の進展に期待しましたが…佐伯&小島カップルも相変わらずでした。


2010年10月25日 (月)

巡査の休日

巡査の休日 巡査の休日

販売元:楽天ブックス
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☆☆☆+

早い段階から何となく予測出来ましたね。ストーカー事件の方の展開についてですが。プロローグからして既にヒントになっているというか。そして佐伯と小島のその後についての感心も期待値あがります(←表紙を見ての印象)。

捜査陣が取り囲む中、犯人に一杯食わされるシーン。いやぁ、警察の鈍くささ丸出しで笑えました。今回はやけにそんなシーンが目につきましたね。これ狙いでやっているのか(?)。

前作から登場した愛知県警の服部。東京駅地下の食堂での佐伯とのやり取りは、短いながらも二人の信頼関係が築かれる名場面ですなぁ。何か昭和の男の友情みたいなものを感じましたね。

ラストのいつものメンバーでのささやかな打ち上げ。その場面で佐伯にこれまたささやかなサプライズ(!)こんな爽快感のあるエンディングはシリーズ中、初ではないでしょうか。で、肝心の二人はというと…これがお互いのペースですかね。

2010年6月11日 (金)

ユニット

ユニット (文春文庫)Bookユニット (文春文庫)

著者:佐々木 譲
販売元:文藝春秋
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆+

内容(「BOOK」データベースより)
十七歳の少年に妻を凌辱され殺された男、真鍋。警察官である夫の家庭内暴力に苦しみ、家を飛び出した女、祐子。やがて二人は同じ職場で働くことになる。ある日、少年の出所を知った真鍋は復讐を決意。一方、祐子にも夫の執拗な追跡の手が迫っていた。少年犯罪と復讐権、さらに家族のあり方を問う長編。

実在の事件がモチーフになっていて、容疑者の少年の出所後の世間での扱いなど、リアルに描写されています。また、DV警官というのも実際ありえる話だなぁとこのキャラ設定にも感心しましたね。もちろん嫌悪感をこめて。

ある出来事で出会い、しばらくして運命的な再会をする真鍋と祐子。子どもを挿んでの程よい距離感がお互いの信頼へと繋がっていくんだな。と、こういう描写はいい時間のかけ方だと思いましたね。

で、それぞれの解釈の「ユニット」というものが見られました。ラストはこういう展開で決着がつくとは…思っていたのとは違いましたが、悪くない結末でした。

2010年5月26日 (水)

警官の紋章

警官の紋章Book警官の紋章

著者:佐々木 譲
販売元:角川春樹事務所
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆+

内容(「BOOK」データベースより)
北海道警察は、洞爺湖サミットのための特別警備結団式を一週間後に控えていた。そのさなか、勤務中の警官が拳銃を所持したまま失踪。津久井卓は、その警官の追跡を命じられた。一方、過去の覚醒剤密輸入おとり捜査に疑惑を抱き、一人捜査を続ける佐伯宏一。そして結団式に出席する大臣の担当SPとなった小島百合。それぞれがお互いの任務のために、式典会場に向かうのだが…。

道警シリーズ第三弾(!)やる気まんまん期待むんむんで読みはじめました。おお!いかにも偶然なこの人間関係。冒頭の風俗嬢と実は知り合いだったという若い警察官のことですが。ここ、その後何故かスルーされていますね。気になる関係です。

佐伯、津久井、小島、お馴染みの面々(第一弾、二弾、読むべし!)がそれぞれ個別の捜査で動く。その中で再会するシーンとかドラマ的な描写もちらほら。警視庁からの出向組も加わり、現場の臨場感が徐々に熱くなっていく様が伝わって来ます。

閑話休題。今回のストーリー中、一番カッコいいのは何といってもあの女性SPですね。満場一致で拍手喝采です(!)。

事件も一応の決着をみせたとたん、えっ(!?)処罰なしなのか…と思わず口あんぐりな「犯人」への対応。こうして組織は守られていくのか。まさか現実にこんなことはあるまい…と祈るばかりです。

で、やっとありつけた佐伯と小島のディナータイム。ぎくしゃくした会話が可笑しい。と思うもつかの間、やっぱり…でしたか(笑)。そうは言っても、これは次回作を期待してしまう上手いエンディングですね。ああ、待ち遠しい…と思ったら『巡査の休日』出てました。

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