カス・粕谷知世

2009年9月10日 (木)

ひなのころ

ひなのころBookひなのころ

著者:粕谷 知世
販売元:中央公論新社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆☆


内容(「MARC」データベースより)
ゆうべのことは、おひなさんとわたしだけの秘密なんだね…。懐かしい風景の中、四季を通して風美が経験するちょっと不思議な出来事。季節のおとないとともに成長する少女と家族を描いた物語。


おっ、これも小林万希子さんの手による装画ですね。中扉の絵も美しく読む前からイマジネーションを掻き立てられますね。で、あらすじとしては田舎で暮らす少女の、四歳の春から十七歳の冬までの身辺エピソードが綴られています。


家族の中での自分の存在に疑問をもったり、祖母や両親に対してのわだかまりなど少女の多感な時期を通して描かれている。病弱で年子の弟の存在がキーポイントになってるのかなと思っていたら・・・。


「おひなさん」と少女の幻想的な触れあいのシーンには引き込まれそうになる。


十一歳の夏のお祭りでのある出来事には、一瞬、絶句してしまう程の衝撃を受けました。突然やって来るそれには、読んでいるこちらも成す術をなくすというか、一緒になってうろたえてしまう体たらくです。


この方言はどこの地方のものだろう(?)やはり関東近郊のものなのか・・・わからん。


死者との邂逅といったテーマでは、わたしのとても大事にしている詩があります。七夕の夜に死んだはずの父と妹がやってくる話で、「わたし」にはその様子が見えるのですが、「彼ら」には声もなく、「わたし」の姿も見えないらしい・・・といった切なくシュールな情景です。


ふと、そんな事を思い出させるどこか懐かしくもの悲しい場面が、この小説のクライマックスとして終盤に用意されています。読みながらわたしの脳裏には、その時代がかった田舎の旧家の宴の様子が再生されていました。著者の繊細にして大胆な筆が冴えた見せ場ですね。


で、裏のというかもうひとりの主人公といえるその人。その存在の描かれ方にはまったく心打たれたというか、胸に沁みてくる何かがありました。

読書メーター

  • mizzoの今読んでる本

最近のトラックバック

最新ニュース

参加しています

  • にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
  • にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
  • blogram投票ボタン
  • 人気ブログランキングへ

mixi

  • mixi(ミクシィ)やってます!
2018年1月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

カテゴリー

無料ブログはココログ