オオ・大崎 梢

2011年2月 6日 (日)

背表紙は歌う

背表紙は歌う (創元クライム・クラブ)Book背表紙は歌う (創元クライム・クラブ)

著者:大崎 梢
販売元:東京創元社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆

内容紹介
地方の書店の動向をなぜか必要以上に気にする営業マン、訪問予定の作家を気にする曰くありげな書店員……。愉快な他社の営業マンたちに助けられながらも、出版社営業の新人・井辻智紀は奮闘する。《出版社営業・井辻智紀の業務日誌》第二弾!

『ビターな挑戦者』
いるんだよなぁ、こういう上から目線でしゃべりかけて来る嫌ぁ〜な奴。ヒツジもとい井辻くんの前に立ちはだかるのは、悪評高い取次会社の社員である「デビル大越」(!)ネーミングの割には随分大人しい話で拍子抜けでした。

『新刊ナイト』
女流作家がサイン会など書店回りをするというシチュエーション。これ今までになかったですね。井辻くんもお伴する訳ですが、なんと要注意人物の書店員が浮上して来ます。ミステリ要素たっぷりで思わせぶりに上手くまとまった話です。

『背表紙は歌う』
地方の老舗書店の危機とそれに思いを馳せる井辻くんの営業仲間。これがアラフォーバツイチのおばさんで、なかなかいい味出してますね。しかしストーリーの方は、よーく考えてみると情けない話で。タイトル負けしとります。

他、『君ともくの待機会』『プロモーション・クイズ』の二編収録。シリーズ第二弾ですが、前作よりややパワーダウンの感は否めませんね。業界ネタが乏しいのか。

2010年5月 5日 (水)

夏のくじら

夏のくじらBook夏のくじら

著者:大崎 梢
販売元:文藝春秋
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆

内容(「BOOK」データベースより)
都会から高知にやってきた大学生・篤史は、従兄弟から強引に本場・よさこい祭りに誘われる。衣装、振り付け、地方車、鳴子。六年ぶりに復活する町内会チームは、どこよりも熱い。南国高知、真夏の風は、空から海へと吹き抜ける。一途な思いを秘めて、踊る青春群像。

これは「よさこい祭り」に青春を賭けた熱く切ないストーリーなんだと勝手に認識しながら読みました。がしかし、主人公がかつて知り合った女性への想い出さがしのようですね。そんな女々しさが見え隠れしてどうにも困りました…。

この著者の『配達あかずきん』シリーズで、静かな中にも躍動感のあるミステリを評価しているわたしとしては、ひと味違う境地を見せてもらえると楽しみにしていたのですが。で、本番の祭りがはじまるまでの紆余曲折があり、いよいよ。

鯨井町の「チームくじら」。みんなよく頑張りました。いやぁーそれにしても最後まで引っぱってようやく登場した憧れの彼女。なかなか好感のもてるエンディングは嬉しかったのだが…ま、あまり言うまい。

2009年10月25日 (日)

平台がおまちかね

平台がおまちかね (創元クライム・クラブ)Book平台がおまちかね (創元クライム・クラブ)

著者:大崎 梢
販売元:東京創元社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆


内容(「BOOK」データベースより)
自社本をたくさん売ってくれた書店を訪ねたら、何故か冷たくあしらわれ…、文学賞の贈呈式では、当日、会場に受賞者が現れない…!?新人出版社営業部員の井辻くんは、個性的な面々に囲まれながら、波爛万丈の日々を奮闘中。本が好き。でも、とある事情で編集部にはいきたくなかった井辻くんの、ハートフル・ミステリ。“出版社営業・井辻智紀の業務日誌”シリーズ第一弾。


書店シリーズに馴染んでいるせいか、いつもの小ぢんまりした舞台からアクティブに外へ出てのエピソードには新たな期待をよせページを捲る。今回は出版社のフレッシュ営業マンが主人公だし。とはいっても大抵の行き先は書店巡りなんですが(笑)


書店のマドンナを守る会のメンバーが各出版社の営業担当で、ちょっとした勘違いが原因のささやかな事件。なんか微笑ましい反面、あきれてしまうというストーリーだけれどメンバーの人徳みたいなもので読まされましたねえ。


新刊本についての思い入れや、贈呈式でのドタバタや、出版業界の内情もわかったりと。なかなかバラエティに富んだお題目で楽しめます。こちらも当事者のひとりとしてその場に居る感じ。あっ、成風堂とあの人もちゃっかり登場してます。


2009年8月14日 (金)

サイン会はいかが?

サイン会はいかが?―成風堂書店事件メモ (ミステリ・フロンティア)Bookサイン会はいかが?―成風堂書店事件メモ (ミステリ・フロンティア)

著者:大崎 梢
販売元:東京創元社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆


内容(「BOOK」データベースより)
同一書籍に四件の取り寄せ依頼。ところが連絡を入れると、四人が四人ともそんな注文はした覚えがないと…。「ファンの正体を見破れる店員のいる店でサイン会を開きたい」―若手ミステリ作家のちょっと変わった要望に、名乗りを上げた成風堂だが…。駅ビル内の書店・成風堂を舞台に、しっかりものの書店員・杏子と、勘の鋭いアルバイト・多絵のコンビが、書店に持ち込まれる様々な謎に取り組んでいく。短編五本を収録した本格書店ミステリ、好評シリーズ第三弾。


ちょっと変わった小学生の男の子が上手く描けている『君と語る永遠』は、クラスで見学学習に来た子どもたちが微笑ましいな。書店内で騒ぐさまとか(笑)。そのロマンチックなタイトルとともにほろりとさせられるエンディング。でも爽快感あり。


書店員仲間のやさしさが伺われる『バイト金森くんの告白』。こんな飲み会でのやりとり懐かしいなあ。思い出は遠い記憶の彼方に・・・です。みんなとちょっとズレてるのに何処か憎めない奴っているんですよホント。本人がその辺を自覚してればまだいい方ですがね。


表題作『サイン会はいかが?』は、ユニークな着想とそのことの成り行きが興味をそそります。脅迫者とのゲームでの決着のつけ方も洒落てるし。しかしこういった暗号めいた謎解きは苦手だなあ・・・いつもながら。見ただけでチャレンジする気が失せてしまいます。


このシリーズの前二作にくらべて杏子と多絵の会話にスムーズさを感じますね。まわりのスタッフに対してもいえることですが。以前はどこかギクシャクした問答が気になっていたので、それを考えるとこれは喜ばしいことです。そう、次も読んでみたいなぁとその気にさせます。


他、『取り寄せトラップ』、『ヤギさんの忘れもの』の全五編収録です。

2009年8月 3日 (月)

晩夏に捧ぐ <成風堂書店事件メモ・出張編>

晩夏に捧ぐ<成風堂書店事件メモ・出張編> (ミステリ・フロンティア)Book晩夏に捧ぐ<成風堂書店事件メモ・出張編> (ミステリ・フロンティア)

著者:大崎 梢
販売元:東京創元社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆


内容(「MARC」データベースより)
友人からの手紙で、地方の老舗書店の幽霊騒動を探りに出かけた杏子と多絵。そこで待ちかまえていたのは、四半世紀ほど前に弟子の手で殺されたという老大作家の死に纏わる謎であった…!


いきなり勤務先である威風堂がアリバイ場所となる事件を軽るぅ〜く解決してみせる杏子&多絵のコンビ。書店ではよくある(?)日常茶飯時的なエピソードみたいで極自然にストーリーに入っていけます。


で、今回は出張編ということでいざ信州へGO!という旅行気分を漂わせながら進行していきます。でも、はっきり言って本編の謎解きよりも地方書店の成功例(商店街の老舗店&アミューズメント複合店)の店舗レイアウトなどが気になって仕方ありませんでした。本好きの宿命なんでしょうか・・・。


そして肝心のというかメインテーマの幽霊騒動についてはトリックというよりそのチープさ加減が痛かったかな。おまけに言えば多絵ちゃんの事件解決のひっぱりにはイライラさせられたなあ。この辺、杏子さんも同じくイラついていましたね。


ま、長編小説ということもあって前作の短編集の『配達あかずきん』とはまた違った楽しみ方が出来ました。がしかし、多少の中だるみ感を覚えたことも併記しておきます。と言いつつも・・・次回作もちゃっかり手元にあったりする優柔不断なわたしです。


2009年7月27日 (月)

片耳うさぎ

片耳うさぎBook片耳うさぎ

著者:大崎 梢
販売元:光文社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆


内容(「MARC」データベースより)
奈都は小学校6年生。引っ越してきた父の実家は、古くて大きなお屋敷で、しかも不吉な言い伝えがあるという。弱った奈都が頼ったのは、ひとりの謎めいた女子中学生だった…。優しい読後感が嬉しいミステリー長編。


裏表紙のうさぎがユーモラスに描かれていて読む前から気になって仕方なかった。
これはいにしえの旧家のお屋敷を舞台とした少女たちの夢と冒険のファンタジーだ。と思いながら読み進みました。ほんわかとしたほのぼの感が心地好いです。


奈都とさゆりの少女ふたりが夜中に屋根裏を探索して怖い目に(?)一目散に布団に潜り込む様には、わくわくどきどく感が伝わって来ましたよ。誰にでも似たようなことはあったはずだ小学生の頃は。


家系図が出て来たりしてミステリ度数が上がるかと思いきや、昔話を切り出すタイミングが悪いのか、中盤にかけてストーリーにも足踏み状態が・・・。同じような場面で同じようなコント(!)が繰り返されたり、この辺著者の戸惑いが伺われるな。


で、何となくですが謎の部分がおぼろげに見えて来たと思ったら、この期に及んでのドタバタ劇。えっ、あの人が◯◯だなんて、こっちのあの娘も◯◯じゃないのか・・・っていうドンデン返しが三文オペラ的な安っぽさを奏でます。ほんとは「うさぎ」にサプライズを期待したんだけどな・・・。


なもんで、エンディングも遠ぉ〜い昔話をひも解き何が何やらでよく分からないまま読み終えてしまつた。「うさぎ」が果たした役割もなんかこじつけっぽいしなぁ、それはそれで良しとしても。最後に謎の少女となってしまったさゆりちゃんですが、しれ〜っと可憐な少女を演じきりましたね。


2009年7月23日 (木)

配達あかずきん

配達あかずきん (ミステリ・フロンティア)Book配達あかずきん (ミステリ・フロンティア)

著者:大崎 梢
販売元:東京創元社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆


内容(「MARC」データベースより)
配達したばかりの雑誌に挟まれていた盗撮写真…。駅ビル内の書店・成風堂を舞台に、しっかり者の書店員・杏子と、勘の良いアルバイト店員・多絵のコンビが、さまざまな謎に取り組む。元書店員が描く本格書店ミステリ。


なるほど書店を舞台にした小説ははじめてですね。図書館を舞台にした『れんげ野原のまんなかで』と比べるとその空気の違いがわかります。同じミステリタッチの作品でも書店と図書館という「器」の大きさの違いがそれぞれのトリックに反映しているんですね。


『配達あかずきん』というタイトルは絶妙ですね。ストーリーそのままなのですが、この短編の主人公になる女の子のキャラを生かした上手いネーミングです。


『六冊目のメッセージ』本好きの人にはたまらないシチュエーションでの出会いでしょうか。こういうラストにドラマチックな場面が用意された話には弱いんですよ。あの二人のその後はどうなったのか気を揉んでしまいます。


他、『パンダは囁く』、『標野にて、君が袖振る』、『ディスプレイ・リプレイ』の全五編からなる連作短編集です。


巻末の書店員さんたちによる座談会はなかなか興味深い裏話も飛び出したりして面白かったですね。わからなかった書名が判明した時のお客との連帯感、立ち読みと返品本の関係などの様子を伺い知ることが出来ました。しかしこの本についてはみんな一寸ヨイショし過ぎかな(笑)。


読書メーター

  • mizzoの今読んでる本

最近のトラックバック

最新ニュース

参加しています

  • にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
  • にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
  • blogram投票ボタン
  • 人気ブログランキングへ

mixi

  • mixi(ミクシィ)やってます!
2018年1月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

カテゴリー

無料ブログはココログ