ヤマ・山本幸久

2013年1月26日 (土)

寿フォーエバー

11277213

☆☆☆+ 著者:山本幸久 販売元:河出書房新社 発売日:2011/8/23

内容(「BOOK」データベースより)

結婚式場・寿樹殿で働く入社5年目の井倉靖子は、頼りにしていた大先輩が急に辞めてしまったため、超ビッグな結婚式をたった一人で担当することに。そんなある日、近所に強力なライバル店が出現!さらに、ラブラブだったはずのカップルには破局の危機が…!恋もシゴトもままならない崖っぷちの井倉靖子が、他人の人生で一番幸せな日のためにひた走る。

いやぁ、予想通り「すっ」と入っていけるいつもながらの読みやすさ。な反面、テンポの良さが軽々しく思えたりもする。

しかし冠婚葬祭系の話はコメディとして扱いやすいんだよなぁ。他人の不幸は蜜の味的なブラックユーモアの片鱗が見え隠れして楽しめます。

おお、醐宮(!)あの「凸凹デイズ」の面々が靖子のライバル関係だったのか。後で気づいてしまう残念さ(笑)

わたしにとって「外れなしの安定本」である山本作品ですが、この所期待通りの面白さとあと一つの物足りなさがあるのもまた事実です。

2011年12月10日 (土)

一匹羊

11409856

☆☆☆ 著者:山本幸久 販売元:光文社 発売日:2011/10/20

内容(「BOOK」データベースより)
縫製工場に勤める大神は、若いころと違って事なかれ主義で働いていた。そこに、職場体験に中学生がやって来る。年下の同僚とともに、中学生の面倒を見るはめになった大神。そこで、ある問題が生じて―(「一匹羊」)。OL、女子高生、フリーター、元野球選手、主婦…相手にされなくても。変人に思われても。それぞれの「明日が少し元気になれる」物語。

毎度の事ながらほっこりさせられる話が詰まっています。しかしそのほっこり具合が小さくなって来ているような。読み慣れてしまったせいなのか(?)いやきっとそうに違いない。そんなこんなの全8編。

深夜バスでの女同士の会話のやりとりが絶妙な『狼なんてこわくない』は、巻頭を飾るに相応しい爽やかな印象が残ります。以下の話でも女同士、男同士、そして男女の絡みというタイプ分けが出来、それなりに味わいの変化が楽しめます。

父と息子のぎこちない交流が新鮮な『夜中に柴漬け』。バイト先の居酒屋が居心地のいい場所みたいだ。『感じてサンバ』はとうが立った姐さんキャバ嬢がいい仕事しています。こういう地方の島では如何にもありがちなエピソード。

著者の得意分野でもある「職場もの」の『一匹羊』は感情移入しやすい話でした。欲をいえば気になる部下とのラブコメモードが欲しかったところか(笑)少し元気がもらえる読後感はいつも通りです。

 

2011年11月24日 (木)

パパは今日、運動会

パパは今日、運動会Bookパパは今日、運動会

著者:山本 幸久
販売元:筑摩書房
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆

内容(「BOOK」データベースより)
嘘っぽく晴れ渡った青空の下、来年五十周年を迎えるカキツバタ文具の史上初の社内運動会が開かれた。ごますり男も泣き虫も、不倫男もアイドルも、強面もお調子者も、みんないつもとちょっと違う。いや、ちょっとどころか、え?こんな人だった?いろんな笑いがぎっしり詰まった会社小説の真骨頂。

ストーリーののものの面白さというより、キャラたちのテンポのいい会話や頭の中でブツブツ言ってる様の連続ワザにのめり込む。そう、読んでいるだけで運動会の臨場感や職場のごった煮状態の人間関係の中に身を置いた気分になる。

「借り物競走」での指令メモが笑えた。こういうブラックジョークは好きです。それを実行しようとする社員の間抜けさに一票(!)各競技のパートごとに主人公キャラが入れ代わり、その回りの人間たちを巻き込んでのエピソードが続きます。

そしてみんなの嫌われ者に対して、ある策略が伝説の元女子社員から下る。そこ引っぱるだけ引っぱっておいて「おっ!」という結末が用意されていた(笑)毎度やさしい気持ちにさせてくれる著者でありますが、今回も期待通りに楽しめました。


2010年10月17日 (日)

愛は苦手

愛は苦手Book愛は苦手

著者:山本 幸久
販売元:新潮社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆+

内容(「BOOK」データベースより)
“アラフォー”って自分では笑って言えるけど、他人にそう呼ばれると、なぜか嫌。20代はみんな私に優しくて、30代も大丈夫と思ってて。でも、気がついたら前に進めないよ…。愛についてふと考える彼女たち―連作短篇集。

『たこ焼き、焼けた?』
「たこ焼き」がストーリーの中で重要な役目を果たすかと思いきや…以外な方向へと転がりはじめます。出版社の編集員だった静子と幼い娘のやりとりが可笑しくもホロリとさせます。

『象を数える』
四十過ぎの妊婦である嫁と義父との掛け合いが和ませる話。新しい家庭の結構シビアな問題も、この象を数える方法でクリア出来るのか(?)最後にほっこりとさせられました。

『愛は苦手』
駅ビルの縫製屋に勤める茂絵と同僚のフレッシュマン遥を取り巻く人間関係。実際にあるんだろうなこういう話って。そして読後思ったことは、まず「愛は難解」という言葉が閃きましたね。

しかし毎度のことながら、この著者の擬音表現のセンスには恐れ入る。それは子どもの愚図る声だったり、おばさんのかけ声だったり、乗り物のエンジン音だったりするのだが、どれも見事に情景が浮かび笑えるのだ。また、そんな所に感心する自分も可笑しいのだが…。全六編収録。

2010年7月13日 (火)

失恋延長戦

失恋延長戦Book失恋延長戦

著者:山本 幸久
販売元:祥伝社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆☆

内容紹介
全力で片思い、しちゃいました!苦しくって、ちょっぴりはずかしい……そんな不器用で切ない日々をかろやかに描く青春ラブストーリー!

これは恋愛というより片思いストーリーといった方がいいかも。いまいち肝心なところで切り出せないというパターン。でもあっけらかんとした雰囲気で救われている(いや実際救われないかも)。柴犬のベンジャミンくんいい役どころです。

にしても藤枝。こういうキャラ創るの上手いなあ山本さん。どのクラスにも一人いそうな…脇キャラのパーソナリティというものがよーく判りますねぇ。はい、いつもながら感心しきりです。

東京の描き方も近くて遠〜いという絶妙な距離感(カルチャー&ファッション)で、主人公真弓子の立ち位置というものが見えて来る。でもシモキタとサンチャくらいは知っていると思いますが。静かなラストは涙腺うるうる来ます。


2010年7月 3日 (土)

ヤングアダルトパパ

ヤングアダルト パパBookヤングアダルト パパ

著者:山本 幸久
販売元:角川書店(角川グループパブリッシング)
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆+

内容紹介
夏休みもあと数日。中2のシズオは、五ヶ月の赤ん坊優作を抱え託児所探しに奔走していた。優作はシズオの息子だった。親子関係を貫こうとする二人に世間の反応は…!?

赤ん坊の泣き声の表現が可笑しくもあり凄くリアルですね。こういう疑似音で表現する才能に長けた人だと思っていました山本さん(!)で、今回のお話はこちらが温かい大人の目線で見守りながら読むという楽しみ方ですね。

「中学生パパ」という話を大袈裟にし過ぎないことで成功していますね。主人公たちの人間関係も、小説のストーリーとしてもです。必要以上に社会倫理みたいなものをまくしたてる人が出て来なくて幸いでした。

そしてあっさりしたエンディングも山本スタイルでしょうか。読み終えてTVのスイッチ入れた途端、♪グリーングリーン…ってあの曲が流れて来て一瞬驚きました(笑)。

2010年2月22日 (月)

シングルベル

シングルベルBookシングルベル

著者:山本 幸久
販売元:朝日新聞出版
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆+

内容(「BOOK」データベースより)
我が子の相手探しに結婚セミナーに奔走する親たち、その切実な願いを軽やかにひっくり返す息子&娘たち…。さらには事態を混乱させる小悪魔少女や謎のストーカーも絡んで事態は思わぬ方向へ―。

先に親たちが出て来るシチュエーションに戸惑った。これは高齢シングルベルか(?)いや違ったのでとりあえず安心。こういうイントロダクションも洒落が利いていて面白いな。で、絵画修復師のヨーイチを中心にライト感覚の婚活狂想曲へとなだれ込んでいきます。

賑やかな女性陣は多少キャラ被ってないか。そんな中で小学生娘の活躍ぶりが微笑ましい。そして今回も出て来るつぶやき…ぶひぶひ…って、なんか前にもあったような(笑)。あと小悪魔風っていうのもお気にワードですか。こういうの好きだなぁ。

よし(!)ヨーイチの心にあるのはあの人だったんだな。ですが、そうなった経緯とかが割愛されてませんか。具体的なラブラブモードのパート希望です。そして裏で糸ひく三婆たちの画策ぶりはまるでB級スパイ映画のようだ。勿論、楽しめたという意味でです。

2009年11月17日 (火)

笑う招き猫

笑う招き猫 (集英社文庫)Book笑う招き猫 (集英社文庫)

著者:山本 幸久
販売元:集英社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆☆


内容(「BOOK」データベースより)
男と並んで愛誓うより、女と並んで笑いを取る、それが二人のしあわせなのだ!駆け出しの漫才コンビ、『アカコとヒトミ』。超貧乏で彼氏なし、初ライブは全く受けずに大失敗。おまけにセクハラ野郎の先輩芸人を殴り倒して大目玉。今はぜんぜんさえないけれど、いつかはきっと大舞台。体に浴びます大爆笑―。夢と笑いとパワーあふれる傑作青春小説。第16回小説すばる新人賞受賞作。


ストーリー自体は漫才コンビの成長物語という在り来たりの話なのだが、主人公のアカコとヒトミのキャラづくりの上手さと、彼女たちが巻き起こすちょっとお馬鹿なエピソードにぐいぐい引き寄せられます。導入部からして小気味好いテンポで読ませますね。


マネージャーが言う、テレビでにぎやかしに出てるだけの芸人・・・タレント化した昨今の芸人出世事情を鑑みるとまさにその通りだ。漫才やコントや落語という本分を忘れ、TV番組の司会やリポーターでガッポリ(!)やっぱり金だったりするんだな、人は。とはまさに核心を突いた言葉ですな。


「行くよ、アカコ」「合点、ヒトミ」この符丁が出るたび、こっちまで身震いする。


で何が凄いって、ステージで掛け合い漫才を演じるアカコとヒトミの姿がはっきりイメージ出来たこと。二人の声が聞こえて来ましたよほんと。日常に突然歌われるオリジナルソングの楽しい歌詞やら、ヒトミの愛車レッドバロン号や緑色した招き猫など小道具たちもまたいい感じ。


作品全体のほんわか感が好きな著者ですが、デビュー作にしてこの完成度とは驚きです。今さらながらですが。シリアスで結構辛い話も出て来てハラハラしながらページを捲ったり。この先どう転ぶんだあ(!?)と思わせといて・・・こういう終わり方もいいなあ〜と爽やかな感動に包まれ読了しました。


2009年10月19日 (月)

床屋さんへちょっと

床屋さんへちょっとBook床屋さんへちょっと

著者:山本 幸久
販売元:集英社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆


内容(「BOOK」データベースより)
宍倉勲は二十代半ばで父が興した会社を引き継いだが、十五年後に敢えなく倒産させてしまった。罪悪感をぬぐえないまま再就職し定年まで働き、もうすぐ「人生の定年」も迎えようとしている。だが、そんな勲の働く姿こそが、娘の香を「会社」の面白さに目覚めさせて―「仕事」によって繋がった父と娘を、時間をさかのぼって描く連作長編。


父親から受け継いだ製菓会社を潰した二代目社長の回想録という形でストーリーは進む。その中で床屋や鋏など散髪する場面が出て来る。コミュニケーションのひとつと言うよりキーワード的に設けられている感じがする。


で、今回のは現在から過去の出来事へと遡って行くという見せ方になっています。ひとり娘の香のバイオグラフィーをプレイバックしているようで、ある意味わかり易かったりします。


父の会社の従業員のエピソードや香の結婚話など、内輪ネタで紡がれる一家のグラフィティですな簡単にまとめると。がしかし、わたし自身この著者の作風に慣れ親しんでいるせいか、イマイチ新鮮味がないというかマンネリ感を覚えたのも確か。


タイトルになっている最後の章は、主人公である二代目が死んだあとの話。香の回想から思わぬ形で父と対面することになる。ここ、ちょっと涙腺緩みましたね。で、さり気なくいつもの日常の風景へと戻っていくのであった・・・。

2009年10月 2日 (金)

男は敵、女はもっと敵

男は敵、女はもっと敵 (集英社文庫)Book男は敵、女はもっと敵 (集英社文庫)

著者:山本 幸久
販売元:集英社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆


内容(「BOOK」データベースより)
映画好きが高じてフリーの宣伝マンをする藍子36歳。仕事は順調だが、W不倫の果てにフッた男が仕事場に現れ復縁をせまり…(『敵の女』)。22歳の真紀はデザイン会社で働く。今は仕事よりも来月入籍するバツイチのカレが大事。だが、その元妻と仕事をすることになり!?(『Aクラスの女』)。など、恋と仕事にまっすぐ生きる女たちをリアルに描いた連作短編集。文庫のため新作書き下ろしを特別収録。


各話の主人公が次の話で脇役となりリンクしている。こんな遊び心いっぱいの小説をさらりと読ませる著者にはほんと懐の深さを感じるなあ。


そんな中で圧倒的な存在感の藍子さん。ナチの軍服コスプレもさることながら、エレベーターやオートロックのドアに腕や足をこじ入れて乗り込んでくるその強引さなどなかなか魅せます。


とにかく回りの男どもをぶん回すその豪快さが小気味良いんだなあ。そして、男たちの回りの女(妻や彼女や職場のOL)たちも主人公になったパートでは、その個性を存分に発揮してはっちゃけております(!)


結婚、同棲、不倫、離婚・・・と大人の女の面白くも切ない物語というか、それまでの戦歴をなぞっているような話です。側でその様子を見ているような臨場感が味わえましたね。

より以前の記事一覧

読書メーター

  • mizzoの今読んでる本

最近のトラックバック

最新ニュース

参加しています

  • にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
  • にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
  • blogram投票ボタン
  • 人気ブログランキングへ

mixi

  • mixi(ミクシィ)やってます!
2018年1月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

カテゴリー

無料ブログはココログ