カノ・加納朋子

2011年1月29日 (土)

七人の敵がいる

七人の敵がいる Book 七人の敵がいる

著者:加納 朋子
販売元:集英社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆+

内容(「BOOK」データベースより)
PTA、学童、教師、夫に姑、我が子まで。上司より、取引先より手強いモンスターが次から次へと現れる!?困惑、当惑、そして笑いと涙の痛快PTAエンターテインメント!ワーキングママ、専業主婦に、育児パパ、そして未来の子持ち候補たち必読小説。

PTAに町内会に子供会に…この手の話題が出るのは苦手でしたが、恐いもの見たさと主人公ママの山田陽子のキャラのおかげで、サクサクと読めました。

会合で出しゃばったことは一言も言わず、けどその場の空気をコントロールしている岬さん。あと、人がいいだけに、あちこちで仕事を引き受けてしまう沢さんとか。

女子児童を贔屓するキモイ若手教師の嫌ぁ〜な事件もあり。そして、役立たずのパパと時には敵にもなる子どもを巻き込んでの騒動。いやはやネタには事欠きません。

陽子と似た者同士であり、最大の宿敵となるPTA会長。戦い終えてのエンディングでは、ちょっとした爽快感が味わえます。

そんなPTA小説でしたが、最初からぐいぐい引き込まれましたね。山田陽子の強烈なキャラがストーリーを牽引していきます。加納さんの小説では、珍しいタイプの主人公でした。

2010年4月 3日 (土)

沙羅は和子の名を呼ぶ

沙羅は和子の名を呼ぶ (集英社文庫)Book沙羅は和子の名を呼ぶ (集英社文庫)

著者:加納 朋子
販売元:集英社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆

出版社/著者からの内容紹介
和子が住む世界と、沙羅が住む世界。二つの異なる世界が交錯する時、何かが起こる──。日常のすぐ隣でひっそりと息づく静かな〈謎〉を描く、珠玉のミステリ短篇集。

デジャヴュを見せつけられるような『エンジェル・ムーン』は、お店の造りから熱帯魚の種類など、綺麗なイマジネーションが膨らむも冷たくシュールな話。昔の少女漫画にあったようなストーリーです。

壊れかけた夫婦関係を救ったのは…ラストに種明かしされるギミックが希望のある未来を予感させる『天使の都』。これはよかった。『商店街の夜』は、ファタジックな大人のお伽話。こんな素敵な商店街なら会社帰りの夜道も楽しいだろうな。

おっ、何だこれは(?)現代版「座敷わらし」かという様相なのが表題作の『沙羅は和子の名を呼ぶ』だ。でも読んでてアタマん中が支離滅裂になって来た。そんな幻想的なストーリー10編を収録。

2010年1月21日 (木)

少年少女飛行倶楽部

少年少女飛行倶楽部Book少年少女飛行倶楽部

著者:加納 朋子
販売元:文藝春秋
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆+

内容(「BOOK」データベースより)
中学1年生の海月が幼馴染の樹絵里に誘われて入部したのは「飛行クラブ」。メンバーは2年生の変人部長・神、通称カミサマをはじめとするワケあり部員たち。果たして、空に舞い上がれるか!?私たちは空が飛べる。きっと飛べる。かならず飛べる。空とぶ青春小説。

空を飛ぶことを目的とした中学生の部活。似ているようでちょっと違うキャラたちの描け分けが上手いから、すっと入っていける。変わった名前の部員が揃い、わくわく感に拍車がかかります。

しかし、みんな素敵な少年少女たちなのだが、話し方とか論理的すぎやしないかい(?)と感心するも気後れしてしまう。これ、いまの13〜14才の標準タイプでしょうか。で、悪戦苦闘の末、やっと熱気球で空を飛ぶことになるのだが…。

最後にドラマチックなアクシデントが用意されていて、この底抜けに明るく偏屈で愛すべき連中の成長した姿がそこにあるのだ。という風なあんばいです。前向きで夢のあるストーリーにわたしも参加出来ました。


2009年9月17日 (木)

月曜日の水玉模様

月曜日の水玉模様 (集英社文庫)Book月曜日の水玉模様 (集英社文庫)

著者:加納 朋子
販売元:集英社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆


内容(「BOOK」データベースより)
いつもと同じ時間に来る電車、その同じ車両、同じつり革につかまり、一週間が始まるはずだった―。丸の内に勤めるOL・片桐陶子は、通勤電車の中でリサーチ会社調査員・萩と知り合う。やがて2人は、身近に起こる不思議な事件を解明する〈名探偵と助手〉というもう一つの顔を持つように…。謎解きを通して、ほろ苦くも愛しい「普通」の毎日の輝きを描く連作短篇ミステリー。


七つのパートのタイトルの◯囲みの文字を組み合わせると・・・最初から、これ考えて連載始めたんでしょうね。そんなところに感心してしまいます。


いつもの時間の通勤電車。いつもの車両のいつもの座席。そこに坐るいつもの彼のネクタイがこの日常身辺ミステリへの扉となっていたりする。主人公のOL陶子の社内でのポジションは妙にリアリティがあるなあ。


殺人事件はないけど窃盗事件はある。計画犯罪ではないけど出来心はある。そんな感じで似たような事件なら以前、わたしの会社の身辺でもありました・・・という事に気付く。


結構、気になるキャラの人とか出てくるのだが、陶子の良き(?)パートナーというか相方というか、いつもの座席の彼の萩くんとの先行きが気にならないといえばそれこそ嘘になるかな。温かい目で見守っていきたい連作短編集です。

2009年9月 9日 (水)

ななつのこ

ななつのこ (創元推理文庫)Bookななつのこ (創元推理文庫)

著者:加納 朋子
販売元:東京創元社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆


内容(「BOOK」データベースより)
表紙に惹かれて手にした『ななつのこ』にぞっこん惚れ込んだ駒子は、ファンレターを書こうと思い立つ。わが町のトピック「スイカジュース事件」をそこはかとなく綴ったところ、意外にも作家本人から返事が。しかも、例の事件に客観的な光を当て、ものの見事に実像を浮かび上がらせる内容だった―。こうして始まった手紙の往復が、駒子の賑わしい毎日に新たな彩りを添えていく。第3回鮎川哲也賞受賞作。


ほんわかとした文体に惹き付けられてサラサラと読み進む。デビュー作となるこの本は著者の敬愛する北村 薫へのオマージュとして書かれたそうですね。


『ななつのこ』を読みファンレターを送る主人公駒子。著者からの返信をもらいやがて書簡のやりとりが始まる。そこでの日常における不思議を解明していくときの心地好さ、というか爽快感。駒子の不安すら霧が晴れるようにすっきりする。


ミステリというよりファンタジーの要素が強い作品だと思います。随所に見受けられる文学的表現もしっとりと馴染んでいて心地好いですね。


連作七編からなります。小説中作品でもある『ななつのこ』は一番最後に収録されています。これまで『ささらさや』などに見られる独自のほのぼの感が魅力の著者でしたが、今回そのルーツに触れる事が出来ました。

2009年7月21日 (火)

レインレイン・ボウ

レインレイン・ボウBookレインレイン・ボウ

著者:加納 朋子
販売元:集英社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆


内容(「BOOK」データベースより)
高校ソフトボール部仲間の通夜で再会した、七人の女性たち。二十五歳を迎え、それぞれが悩みやトラブルを抱えていた。過酷な仕事に疲れた看護師、厄介な職場で奮闘する栄養士、過去のあやまちを引きずる主婦…。彼女たちは、傷つき、迷いながら自分だけの答えを見つけていく―。ミステリのエッセンスを加えながら、前向きに生きようとする女性の姿を描いた、爽やかな青春群像劇。


高校のソフトボール部の面々にまつわる短編。連作ではないが時間軸を前後してストーリーは繋がっていたりする。みんな20代半ばになり、同級生、先輩後輩の上下関係が見て取れ、なかなか個性豊かな女子軍団だなぁ、と感心するやら・・・。


まず、メンバーのひとりが亡くなりその葬式でみんなが再会する。とここまではよくある話ですね。その先もま、よくある話なんですが・・・いきなりシチュエーションが変わって全く別のストーリーになったり、と見せかけて別のメンバーを通じて元の話題へとワープしたりとなかなか凝った展開になります。


ま、七人七様な生き方がある訳ですがこの辺、この物語の同年代の女性たちというのは実社会ではもっと貪欲で大雑把でそして大胆に会社とプライベートを棲み分けているのでは(←でも体育会系女子だからか違うのかな)。小説の中の女性たちが何となく大人しく見えるのはわたしだけでしょうか・・・これちょっと疑問でした。


入りやすい話ではあるけれども、決して出やすい(←読後抜けやすい)話とは限らない訳で、本作などまさに最後になってミステリ仕立てになり、その謎解きにしても辻褄合わせ的な色合いが鼻に付き、欲張り過ぎたかなと思いましたね。爽やかに同窓会小説としといた方が纏まったかな・・・でも単にそれだけだと普通ですしね。


レインボウだから七章になってるのかな(?)まさか・・・と思ったら、どうやらそのようでした。はっきり二章くらいあまり面白くない話だった気がする。なもんで読後感も微妙でしたねわたしには。


2009年7月14日 (火)

ささら さや

ささらさや (幻冬舎文庫)Bookささらさや (幻冬舎文庫)

著者:加納 朋子
販売元:幻冬舎
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆+


内容(「BOOK」データベースより)
事故で夫を失ったサヤは赤ん坊のユウ坊と佐佐良の街へ移住する。そこでは不思議な事件が次々に起こる。けれど、その度に亡き夫が他人の姿を借りて助けに来るのだ。そんなサヤに、義姉がユウ坊を養子にしたいと圧力をかけてくる。そしてユウ坊が誘拐された!ゴーストの夫とサヤが永遠の別れを迎えるまでの愛しく切ない日々。連作ミステリ小説。


順番を間違えてしまい・・・って知らなかったんだけど『てるてるあした』の方を先に読んでしまい、世話焼き三婆やエリカやこの主人公のサヤのことも知っていました。そんな訳でこの佐々良の街や路地を入った家の雰囲気も勝手知ったる何とやらで、居心地(読み心地)のよさを感じましたね。


こういう生活感を身にまとったファンタジーというのは妙にリアリティがある分、じわじわと沁みてくるんですよ。三婆たちやヤンママの温かさと優しさが押し付けがましくなく、つっけんどんな割に何故か自然に受け入れられるという・・・。


そういえば、TVドラマ化されていたとはつゆ知らずこの感情移入しやすい原作がすっかり気に入ったのですが、ドラマの方は『ささら さや』『てるてるあした』の二作をカップリングした内容みたいですね。そちらもチェックしておかねば。


サヤがゴーストの夫と別れたその後の様子は、先の『てるてるあした』の中で伺い知ることが出来たので別に心配してた訳じゃないけど、サヤの心情を綴ったラストではやはり込み上げるものがありましたね、はからずもです。

2009年7月 6日 (月)

てるてるあした

てるてるあした (幻冬舎文庫)Bookてるてるあした (幻冬舎文庫)

著者:加納 朋子
販売元:幻冬舎
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆+


内容(「BOOK」データベースより)
親の夜逃げのために高校進学を諦めた照代。そんな彼女の元に差出人不明のメールが届き、女の子の幽霊が現れる。これらの謎が解ける時、照代を包む温かな真実が明らかになる。不思議な街「佐々良」で暮らし始めた照代の日々を、彼女を取り巻く人々との触れ合いと季節の移り変わりを通じて鮮明に描いた癒しと再生の物語。


なんか不思議な街が舞台ということなので、ホラー色の強いものかと思っていたが、のどかな人情物語だった。
酷い境遇におかれた少女が知り合った老婆たちにヤンママ(?)たちとその子供たち。


おっとりした人、つっけんどんな人、おせっかいな人、自己中な人。
そんな人たちと関わりながら、それらの裏側にある優しさに気づきはじめる少女。
いきなり大人社会に放り出されて大変だなという簡単な問題でもなかった。


キャラ的には赤ん坊とまだ小さな子供たちがいい味出してますねえ。
その仕草や台詞には微笑ましく、子供ならではのある能力の描き方も自然です。
それで時々現われる女の子の幽霊(?)の正体・・・なるほどこういう事だったのか。
理にかなった現象というか、説明というか、こんな解釈もあるんだなと感心。


しかし憎まれ口をたたく人に隠された優しさって、わたしはそういうの苦手です。


おっと、最後の最後でぐっと込み上げそうになる。それもしっとりと爽やかにだ。
タイトルに込められた意味もこのエンディングに相応しいものだなと納得する。
この著者をはじめて知った作品が何気ない日常に起こるファンタジーで感動させられた。今回は夢や驚きというより、現実に目を向けて癒されて行く路線でしたね。


2009年6月18日 (木)

モノレールねこ

モノレールねこBookモノレールねこ

著者:加納 朋子
販売元:文藝春秋
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆☆


内容(「MARC」データベースより)
小学生の僕は、ねこの首輪に挟んだ手紙で「タカキ」と文通をする。ある日ねこが車に轢かれて死に、タカキとの交流は途絶えたが…。表題作ほか、「パズルの中の犬」「シンデレラのお城」など全8編を収録。


『モノレールねこ』

ああ、こういう話を読みたかったんだよなあ、このところ。
ユニークな猫の果たした役目とは(?)ほんわかした気持ちにさせるストーリー。
しかし小説みたいに偶然が魔法のように訪れる話でもあり、またそこにグッと来るものがあるという。
でも・・・モノレールねこ、切ないなあ。


『シンデレラのお城』

最初、よくある偽装結婚の話で展開が読めるなと思っていた。
がしかし、一寸ぞぉーっとする話になり、やがて温かな気持ちになり、そして哀しく完結する。
ハートウォーミング・ホラーとでも言うのでしょうか、異質な面白さがあった。


『バルタン最期の日』

「バルタン」と名付けられたある生物を擬人化して語らせる手法です。
で、つましく人の良い家族に飼われながら人間の情に絆されて行くさま(?)を描いた物語。
これは思わぬ感動を得られましたね。ささやかなサプライズだったかも知れません。


他、『パズルの中の犬』、『マイ・フーリッシュ・アンクル』、『セイムタイム・ネクストイヤー』、
『ちょうちょう』、『ポトスの樹』の八編収録。


それぞれのストーリーにしても引出しの多さが伺え、色んなテイストを楽しめました。
読後感のいい話が多かったし、パートごとの扉絵のセンスもなかなか。

読書メーター

  • mizzoの今読んでる本

最近のトラックバック

最新ニュース

参加しています

  • にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
  • にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
  • blogram投票ボタン
  • 人気ブログランキングへ

mixi

  • mixi(ミクシィ)やってます!
2018年1月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

カテゴリー

無料ブログはココログ