ヌク・貫井徳郎

2011年2月19日 (土)

光と影の誘惑

光と影の誘惑 (集英社文庫)Book光と影の誘惑 (集英社文庫)

著者:貫井 徳郎
販売元:集英社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆+

版社/著者からの内容紹介
銀行の現金輸送を襲え。目標金額は一億──。巧妙に仕組んだ強奪計画は、成功したかにみえたのだが……。男たちの野望と裏切りを描く表題作を含む、珠玉のミステリー中編4編。

『長く孤独な誘拐』
幼児誘拐事件の犯人と警察のやりとり、そこに「犯人に仕立て上げられた男」の行動が絡み、なかなか厚みのあるストーリーになっている。こういう話はどんな風に着地するのかに期待がかかりますね。その点ではまずまずかな。

『二十四羽の目撃者』
馬鹿みたいに青く晴れ渡ったアメリカ西海岸の空の下での話。まるで海外翻訳ミステリを読んでいるようだ。密室殺人事件の被害者家族の一人娘の容姿を想像するだけで楽しめました(笑)何しろハイスクールでも飛び抜けて目立つ美人らしいです。

『光と影の誘惑』
競馬場や飲み屋での雰囲気づくりが上手いな。と思っていたら、とんでもないトラップが仕掛けられていました。銀行強盗を実行するにあたり、共犯者同士の言葉の言い回しや、状況設定などが読者惑わせます。そして「えっ?」と、慌てふためくや時既に遅し、著者にしてやられました。

『我が母の教えたまいし歌』
母と息子との閉塞感あふれるプロットで話は進みます。亡父や姉の記憶を辿るうちに謎が謎を呼ぶというパターン。最後にストンと落とされるこのオチ。半分当たっていましたが、更にこう来るとは流石ですね。

どれもその話の雰囲気に一気に引き込まれます。中編といった位の長さで、緊迫感あふれるストーリーや、ほのぼのとしたタッチ、そしてジェットコースターの如く、一気に落とされるトリックの切れ味が楽しめます。

2009年5月26日 (火)

慟哭

慟哭 (創元推理文庫)Book慟哭 (創元推理文庫)

著者:貫井 徳郎
販売元:東京創元社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆+


出版社/著者からの内容紹介
連続する幼女誘事件の捜査が難航し、窮地に立たされる捜査一課長。若手キャリアの課長を巡って警察内部に不協和音が生じ、マスコミは彼の私生活をすっぱ抜く。こうした状況にあって、事態は新しい局面を迎えるが……。人は耐えがたい悲しみに慟哭する――新興宗教や現代の家族愛を題材に内奥の痛切な叫びを描破した、鮮烈デビュー作。


痛ましい事件と奔走する刑事たちの息づかいと描写。
ハードな文体で表現される言葉は、どれも重たく説得力のあるものだな。


サイドストーリーとして、新興宗教に傾向していく男の生態が描かれる。


警察の記者発表の場面の臨場感などなかなか良い出来なのでは。
一方、家族、夫婦、愛人、そして同僚といった人間関係が時に冷淡でさえある。


やがて連続誘拐事件とカルト宗教が交わる接点で浮かび上がるものとは。
予想だにしない(もしやはあるかも)衝撃をもって迎える結末となりました。


この著者の作品は、アンソロジーでお目にかかったりしていい文章だなと思ったり。
言葉の選び方と落とし所の妙がある人だなと認識していました。


そしたらほんとに最後、ガツンとやられました。

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