アリ・有川 浩

2012年8月13日 (月)

空飛ぶ広報室

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☆☆☆☆ 著者:有川 浩 販売元:幻冬舎 発売日:2012/7/25

内容(「BOOK」データベースより)
元・戦闘機P(ファイターパイロット・29歳)meetsどん詰まりの美人テレビD(ディレクター)。E★エブリスタ連載に、「あの日の松島」を書き下ろした待望のドラマティック長篇。

実に久々に登場の自衛隊シリーズ(!)かつてのこれでもかというベタ甘テイストは少し落ち着いた模様。とはいえ今回は広報室というノリのいい部署が舞台です。

憧れの「ブルーインパルス」を目指し戦闘機パイロットとして第一歩を踏み出していた空井二尉。突然の不幸に見舞われ広報官となる。

もう読み始める前から表紙カバーに煽られ、その辺の事情も頭に入ってるという用意周到さ。これは著者と出版社の作戦勝ちか。

そんな空井の前に必然と登場するのがどん詰まり美人ディレクターのリカ。ワンパターンながら「ボーイミーツガール」の世界へ一瞬で突入です。

広報室の残念な美人柚木とその後輩槙の防大時代のエピソードがしっとりさせる。道場で二人だけで卒ダンを踊る場面はやたらロマンチック(笑)

巻末に続編として収録された『あの日の松島』では、東日本大震災で被災した基地の舞台裏がリカの目を通して描かれるという趣き。

全編を通してドタバタした躍動感で引っぱられるも、ここで切なくもリアリティのあるエンディングへと落ち着く。そして作品自体が自衛隊PR本になってます。

2012年5月 3日 (木)

三匹のおっさん ふたたび

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☆☆☆+ 著者:有川 浩 販売元:文藝春秋 発売日:2012/3/28

内容紹介
剣道の達人・キヨ、柔道の達人・シゲ、機械をいじらせたら右に出る者なしのノリ。「還暦ぐらいでジジイの箱に蹴り込まれてたまるか!」と、ご近所の悪を斬るあの三人が帰ってきた! 書店万引き、不法投棄、お祭りの資金繰りなど、日本中に転がっている、身近だからこそ厄介な問題に、今回も三匹が立ち上がります。

「三匹」は第一作を読んだ限りでは、はっきりそれほど響くものが無かった気がした。判で押した様なキャラ立ちのおっさん3人に、「如何にも」臭を感じたからか。町内活劇譚としては面白いですが。

がしかし、今回随分と間をおいて本作を読み始めると、いやぁ〜これが何の苦もなくすいすいとページが進みます。「三匹」の家族にスポットを当てたストーリーが多いせいか、熱くなり過ぎず丁度良い湯加減でした(笑)

祐希と早苗のラブコメ路線も鼻につくこともなく、いい距離感を保ってるなと妙にホッとする。ボーナストラックの「好きだよと言えずに初恋は、」については、う〜む...この場では多くを語るまい。


2012年3月11日 (日)

ヒア・カムズ・ザ・サン

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☆☆☆ 著者:有川 浩 販売元:新潮社 発売日:2011/11/20

内容(「BOOK」データベースより)
真也は30歳。出版社で編集の仕事をしている。彼は幼い頃から、品物や場所に残された、人間の記憶が見えた。強い記憶は鮮やかに。何年経っても、鮮やかに。ある日、真也は会社の同僚のカオルとともに成田空港へ行く。カオルの父が、アメリカから20年ぶりに帰国したのだ。父は、ハリウッドで映画の仕事をしていると言う。しかし、真也の目には、全く違う景色が見えた…。

最初の「ヒア・カムズ・ザ・サン」は、アメリカで成功した映像作家であるカオルの父が、ミステリアスな登場の仕方だなと思っていたら...案の定(笑)でも、妙にこなれた展開というか、やっつけ感がどことなく見え隠れしたな。ストーリー自体は面白いですが。

「ヒア・カムズ・ザ・サン Parallel」の方は、よりリアルにお父さんが描かれています。父娘、元妻、そして娘の彼氏とその家族にまで見栄を張ってしまう虚しさ。そんなグダグダ感一杯ながら、エンディングに雪崩れ込めば、いつもの有川ラブコメワールドの読後感でしたね。

わずか7行のあらすじから、ここまでドラマを膨らませるというのも流石です。しかも、人物設定はそのままに2作も(!)この本を手に取った時、まさかこんな仕組みになっているとはつゆ知らず、なんか得した気分になれました。

2011年10月 7日 (金)

レインツリーの国

レインツリーの国Bookレインツリーの国

著者:有川 浩
販売元:新潮社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆+

内容(「MARC」データベースより)
きっかけは「忘れられない本」。そこから始まったメールの交換。しかし、かたくなに会うのを拒む彼女には、ある理由があった…。メディアワークス刊「図書館内乱」の中に登場する書籍「レインツリーの国」が実物となった。

再読。

書棚の整理をしていて1冊落っことして手に取る。パラパラと捲るうちについ読みふけってしまうというパターン。あるある(笑)。

すぐストーリーに入り込めるという所と、重く切ないテーマなのだがカラッとしていて読みやすい点を思い出しながらサクサクとページも進みます。

今回は伸とひとみのやりとりも一歩引いた目で見れるなと思うも...ずるずると『レインツリー』の世界に引き込まれまたしても感情の制御不能に陥りました(笑)。

やはりこの単行本は手元に置いてて正解だった。小振りなサイズと綺麗な装丁で伊達に『図書館内乱』に小道具として出て来たんじゃないなと独りごちる。

で、約二年ぶりに読んだのですが、初読した時と同じ場面で同じ感傷にふけるというか、全く変わらない。しばらくしたら、きっとまた読むだろうな。そしてまた泣く。

あ、そうそうひとつ大切な事を見落としていたかも。それはラストで分かるひとみの本名で…マジかよ!おっと、これこそ読んでみてのお楽しみだった(笑)。

初読時の新鮮な感想など気になる方はこちらをご参考に。
↓   ↓   ↓   ↓   ↓   ↓   ↓   
http://mizzo-style.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/post-4a3a.html


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2011年7月22日 (金)

県庁おもてなし課

県庁おもてなし課Book県庁おもてなし課

著者:有川 浩
販売元:角川書店(角川グループパブリッシング)
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆☆

内容紹介
とある県庁に生まれた新部署「おもてなし課」。若手職員・掛水は、地方振興企画の手始めに、人気作家に観光特使を依頼するが、しかし……!? お役所仕事と民間感覚の狭間で揺れる掛水の奮闘が始まった!?

有川さんのこの手のラブコメを読むのは『植物図鑑』以来だったかな。どうにも読みながらニヤニヤしてしまうのはこの著者の作品をおいて他にないだろう。と、そんな事まで思い出してしまうほど、ぐいぐいとストーリーに引っぱられる。そして自然に繰り出される土佐弁だが、あまり聞き苦しさは感じられないな。

必要以上に登場人物を増やさないあたり(特に役所の面々)に、ごちゃごちゃした会議の様子などをとっても分かり易くまた読み易い。この辺の技量は流石だなあ。こういうノンフィクションベースの話は、読者への訴求点にブレがないし、リアルに考えさせられる件もいくつかあり、色んな意味で楽しめますよこの本。

このところの有川作品が、わたし的にはあまり響くものでなかっただけに、久々に爽快感あふれる読書時間を味わえました。お腹いっぱいです。

2011年5月 1日 (日)

シアター!〈2〉

 シアター! 2 (メディアワークス文庫) (文庫) / 有川浩  シアター! 2 (メディアワークス文庫) (文庫) / 有川浩

販売元:CD&DVD NEOWING
楽天市場で詳細を確認する

☆☆☆

内容(「BOOK」データベースより)
「2年間で、劇団の収益から300万を返せ。できない場合は劇団を潰せ」―鉄血宰相・春川司が出した厳しい条件に向け、新メンバーで走り出した『シアターフラッグ』。旧メンバーとの確執も加わり、新たな危機に直面する。書き下ろし。

前回のストーリーを漠然とおさらい(←漠然とだが)しながらサクサクと読める。相変わらず劇団内の人間関係と運営についてで構築されていく。

観客やファンの声を少しないがしろにしてやいないかい。ますます内輪話的な展開になって来たなあ。ゆかりのパートが一番良かったかな。オーディションの。

「泣き虫主宰」巧の家出については、なんか強引にストーリーを広げようとした風に見えますね。牧子との距離をぐぐっと近づけるためだったのでしょうが。

ディープインパクト千歳には初登場時にあったオーラというかキャラの切れが今回は薄まっていた。「シアターフラッグ」のメンバーとして馴染んで来たのかな。

著者によると次回の(3)で完結するみたいですが、なるほど丁度いいと思います。この適度な甘さのテイストはベタ甘だった有川作品にハマったものにはやや中途半端だな。

2010年2月 6日 (土)

シアター!

シアター! (メディアワークス文庫)Bookシアター! (メディアワークス文庫)

著者:有川 浩
販売元:アスキー・メディアワークス
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆

内容紹介
解散の危機が迫る小劇団「シアターフラッグ」――人気はあるのにお金がない!? 主宰の春川巧は、兄の司に借金をして劇団の未来を繋ぐ。新メンバーも加え、新生「シアターフラッグ」を旗揚げるが、果たして未来は……!?

いじめられっ子体質で劇団を主催する弟巧。その兄で黒幕となる司の甘さにも問題ありそうだが。これは大人になりきれないブラコン演劇青年の話か。最近の有川さん、こういうネガティブキャラで入るパターンがお気に入りかなと思いながら読みはじめた。なるほど…控え目でオマケ的な存在の千歳か。プロの声優であるその七変化(以上!?)の声を聴いてみたいな。

役者キャラの紹介を織りまぜつつ、赤字経営の見直しになんたらかんたら…ここで兄司の存在感アピール。しかし鉄血宰相ってネーミングは…固い。そして有川さんらしい四字熟語(笑)。で、司が嫉妬するのが亡父と弟巧の演劇で結ばれた絆だったりする。そーいえば劇団員のキャラの描き分けって難しそうだな。ダブりっぽかったり、何となくあやふやだったりと。微妙な人がいました。

で、上演中うっかり劇団員によるアクシデントを乗り切ったあとのやりとりに、うっかり涙ぐんでしまうわたしでした。と余韻に浸る間もなく一難さってまた一難です。ああ、こういう結末を迎えてしまうのか。そして、一見冷徹なようでいて劇団の存続を願う兄司の心情。これが実に上手く描かれているなあ。今回はラブコメ・モードも控え目でしたので大人しく(←どゆ意味?)読了しました。

PS.わたしが一番気に入ったのは…空港名つなぎ合わせの羽田千歳(四字熟語!)のネーミングですかね(笑)。

2009年9月22日 (火)

フリーター、家を買う。

フリーター、家を買う。Bookフリーター、家を買う。

著者:有川 浩
販売元:幻冬舎
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆☆


内容(「BOOK」データベースより)
「母さん死ぬな―」へなちょこ25歳がいざ一念発起!?崩壊しかかった家族の再生と「カッコ悪すぎな俺」の成長を描く、勇気と希望の結晶。


何となく駄目フリーターが一戸建てを購入に至るまでのドタバタコメディ位に思いつつ読み始める。何となく家庭内が壊れていく様子が加速してくる。このネガティブで重いストーリーは・・・そこに意表を突かれたのは確かです。


自分が変わることによって回りも変えることが出来る。たとえそれがどんなに些細なことでも。誠治が工事現場でバイトを始めてからの人間的成長ぶりは決して誇張して描かれたものではないと思うし。


「経理の鬼」と異名をとる親父。昭和のモーレツ会社員のイメージか(?)娘の亜矢子とのバトルは親父としてのプライドを賭けた激戦(!)ところがこの経理という仕事つながりで後々・・・いや〜流石だなぁ、という展開になったりする。


あっと(!)ここでも。猫を虐待してはいけませんよー。


で、誠治がフリーターから「元フリーター」へクラスアップする過程が小さな事件など間に挟んで描かれるのだが、この辺のリアリティさには共感するな。シビアな面接状況や不安定な病状の母の行動などなど。


で、部下をもつポジションになったと思いきや、ここでラブコメモード突入(!)


その部下である千葉ちゃんのキャラも今までにない堅物で芯のしっかりした娘。浮ついた感じの全くしない硬派ラブコメか(!?)久々だなあ、こんな新鮮な恋愛パートは・・・バックグラウンドに家族の再生が見え隠れしてなんか応援したくなる。


著者の思い入れが伺えるキャラの豊川。番外編とした巻末の話の役回りもナイスですね(!)不器用な二人のキューピッド役を何てスムーズにこなせるんだこいつわ。と感心することしきり。で、冒頭のネガティブさからは想像もつかない爽やかなエンディングのサラッとさ加減がじつに良かった。

2009年7月 4日 (土)

植物図鑑

植物図鑑Book植物図鑑

著者:有川 浩
販売元:角川書店(角川グループパブリッシング)
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☆☆☆


内容紹介
男の子に美少女が落ちてくるなら女の子にもイケメンが落ちてきて何が悪い!ある日道端に落ちていた好みの男子。「樹木の樹って書いてイツキと読むんだ」。野に育つ草花に託して語られる、最新にして最強の恋愛小説!


表紙を開けてびっくり、ほんとに植物図鑑だったのか・・・なんて。


ふらりとページをめくりつつ、ストーリーに入っていけるところは相変わらず心地好いです。
そして唐突であり、かつ必然でもある出会いとトキメキとその他モロモロにより恋愛植物日記が始まります。


ほとんどさやかとイツキの二人だけで(中盤までと後半)ストーリーは進む。
さやかの会社関係の人もチラッと顔出しするも大半はこの二人だけの空間物語。


さすがに◯◯だとは言えない・・・とか、どんだけ内向的なんだ乙女。普通言うだろと思うのですが。
かつては、この著者の愛すべきキャラへの息吹と思えたのだが、今となってはちとに鼻につくかも。


しかし朝・昼・晩と毎食毎食この道草メニューというのによく飽きないなと心配してしまう。その前に道草を食べるという発想に感心!
あと、ひと言でいえば二人ともキャラ薄いですね。著者の他シリーズのが濃過ぎるのか(?)これほんとにそう思った。


何故かパートごとに読んでは休み、読んでは休みという読書パターンになる。
ストーリーが淡白だからか(?)ま、内向的乙女と草食系男子の恋愛ドラマって旬のキャラでもあるしと納得しておく。


で、安上がりな幸せを目指せることは素敵なこと、ということには共感しました。


そういえば『図書館戦争』の象徴でもある「カミツレ」は出て来ませんでしたねえ。園芸品種(?)
ここはあえて外したのでしょうか・・・。(カモミールの入浴剤は登場しましたが)


最後の方の数章は初出メディアの違いなどもあり、ストーリーのおさらい部分の重複はやむを得なかったですね。
がしかし、タイトルから表紙イラスト、カラーグラビア、付録レシピ、と楽しさてんこ盛り。
そして何より書き下ろし番外編が嬉しかったな。


PS.付録に記されている植物料理メニューのレシピでは、パスタから入ってみようかと思う今日この頃です。


2009年3月25日 (水)

別冊 図書館戦争〈2〉

別冊 図書館戦争〈2〉Book別冊 図書館戦争〈2〉

著者:有川 浩
販売元:アスキーメディアワークス
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆+


内容(「BOOK」データベースより)
大好評『図書館戦争』シリーズ、スピンアウト第2弾!そんで、結局あの人たちは?これにて幕引き。


緒形副隊長の意外な過去。う〜んキャラづくり上手いなあ。


新人の頃の堂上のエピソードが語られるパートでは「王子様」の楽屋オチが明らかに。で、そんな直情型の堂上をあらためて惚れ直す郁であった・・・ごちそうさま(汗)。


そして手塚&柴崎カップルの気になる「背中合わせの二人」の行く末は。


今回は柴崎が事件のターゲットにされ散々な目に遭うんだけど、その都度タイミング良くナイトぶりを発揮する手塚が男を上げました。


まあ、あとがきにもあるように第一稿のエンディングのままだと後味悪かっただろうな。あのイベントは色んな意味でくっつけて正解でしたね。


「泣けるくらい笑える」ホントこの言葉通りのラブコメ集大成になりました。


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