イサ・伊坂幸太郎

2009年6月11日 (木)

チルドレン

チルドレン (講談社文庫)Bookチルドレン (講談社文庫)

著者:伊坂 幸太郎
販売元:講談社
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☆☆☆+


内容(「BOOK」データベースより)
「俺たちは奇跡を起こすんだ」独自の正義感を持ち、いつも周囲を自分のペースに引き込むが、なぜか憎めない男、陣内。彼を中心にして起こる不思議な事件の数々―。何気ない日常に起こった五つの物語が、一つになったとき、予想もしない奇跡が降り注ぐ。ちょっとファニーで、心温まる連作短編の傑作。


この陣内って奴のいい加減さと広げた風呂敷の大きさ。
学生時代にこういう奴いたな、うん。知っている気がする。


そこにある世界を一瞬にしてひっくり返してしまう。
そんな力がこの著者にはある。そして、それは奇蹟を起こすということかも。


動の陣内、静の永瀬というキャラの構図。忘れてはいけない盲導犬ベス。


例えれば、二重三重にめぐらせたロープの端と端をピッと引っぱると一本になる。
・・・と、これは上手い例えになってないな。


まったく、エピソードの創り込みとエンディングの落とし所は流石。
ロンドンのバックストリートでも歩いてそうな大人チルドレンの物語でした。


2009年2月22日 (日)

魔王

魔王Book魔王

著者:伊坂 幸太郎
販売元:講談社
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☆☆☆


出版社 / 著者からの内容紹介
「小説の力」を証明する興奮と感動の新文学
不思議な力を身につけた男が大衆を扇動する政治家と対決する「魔王」と、静謐な感動をよぶ「呼吸」。別々の作品ながら対をなし、新しい文学世界を創造した傑作!


『魔王』

俺(安藤)はある日、「腹話術」により人の言動をコントロール能力があることに気付く。なんなんだこれは一体!?一方、そのカリスマ性により大衆をファシズムへと導く、ムッソリーニを彷彿させる若き政治家犬養。


彼の傑作『愛と幻想のファシズム』の思想を標榜するのか。


世論の波にのまれていく大衆。そこから外れるためにあえて対決する俺。抗えば抗うほどにのみ込まれていく。カリスマのパワーと群集心理の前ではあの力も無力なのか。


俺と弟潤也とその彼女詩織。いい関係だった三人。


宮沢賢治の詩が読まれるタイミングがいい。


やはりシューベルトの歌曲『魔王』のあの三連符が織りなす不協和音がBGMとして聞こえてくるような。ラスト一行にぴったりだと思うのだが。


『呼吸』

あれから五年後。潤也は亡き兄の推察していた通り、その記憶力と直感力に磨きがかかり、ある強運を身につけていた。なるほど、ジャンケンに負けないのも能力のひとつなのか。


わたし(詩織)と潤也と亡くなった彼の兄さん。


こちらでは首相となった犬養は実績を残しているみたい。期待というより既に信頼を勝ち得ている。これからの政治の行く先はどうなるのか。


ムッソリーニの処刑後の話。群集心理の感染するさま、そしてその動向は止められない。逆さ吊りにされた女性のスカートを直してあげられる人になりたい。


これといった結論付けもないままに曖昧なエンディングを迎える。


潤也が言う最後のセリフ。あたりまえすぎなオチ。

2009年2月17日 (火)

アヒルと鴨のコインロッカー

アヒルと鴨のコインロッカー (ミステリ・フロンティア) Book アヒルと鴨のコインロッカー (ミステリ・フロンティア)

著者:伊坂 幸太郎
販売元:東京創元社
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☆☆☆+

出版社/著者からの内容紹介
【第25回吉川英治文学新人賞受賞】
「一緒に本屋を襲わないか」大学入学のため引越してきた途端、悪魔めいた長身の美青年から書店強盗を持ち掛けられた僕。標的は、たった一冊の広辞苑――四散した断片が描き出す物語の全体像とは? 清冽なミステリ。

引っ越し先で出会ったばかりの男にいきなり本屋の襲撃をもちかけられる。すでに現場でポジションについているところからの導入部。この「いきなり」感がいいな。

「ディラン」の名が出て来てすぐ引き込まれる。

現在と二年前の話のパートが交互に出て来て、途中から物語の輪郭がはっきりとしてくる。曖昧なままの部分もあるのだが。こういう手法は好きだな。それとキレイな男女の登場人物の描写がイメージしやすい。

「わたし」である琴美のことがとても気になってくる。本屋を襲ったあとの車のトリックの説明などセオリーどおり。ふむふむ。こういうフォローがあると安心して次のパートにすすめる。

動物園でレッサーパンダを盗み出す子供たち。いいねえ。

ブータンと日本という二つの国をタイトルに上手くひっかけてある。その表現の仕方がなんとなくアメリカン・ジョークのように思える。いいセンスと言う意味で。

終盤になりミステリの部分がはっきりしてくるのだが、犯罪を遠くから語るようなドライな文体が冷静に読ませる。まぁ、復讐という部分のところなんですが。そして、はにかんだようなエンディングは、三人の物語には入っていないと認識する「僕」の心情のようだ。

それにしても「神様」をそんなとこに閉じ込めるのか(笑)。

ずっと行方不明だった黒い柴犬がおいしい役もってった。

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