ヤク・薬丸 岳

2015年2月 8日 (日)

逃走 (講談社文庫)

9784062778695

☆☆+ 著者:薬丸 岳 販売元:講談社 発売日:2014/7/15

内容(「BOOK」データベースより)

死んだはずのあの男がいた。小さかった妹とふたりで懸命に生きてきた21年間はなんだったんだ?傷害致死で指名手配されたのは妹思いで正義感が強い青年。だが罪が重くなるとわかっていても彼は逃げ続ける。なんのために?誰のために?渾身の全面大改稿、ほぼ書下ろしの秀逸ノンストップ・エンタメ!

これぞ「薬丸ワールド」といった全編を覆うダークネスな予感。それは登場人物たちの執念であり憎悪であり仄かな希望でもあるかの様に。

冒頭のラーメン店でのいきなりの暴挙にはかなり違和感がありました。これほど一瞬で激情する奴っているのか?その後に分かる裕輔の日頃の態度からは到底想像すら出来ません。

事件の真相に迫る手がかりとしてコラージュの絵の重要性がいま一つピンと来ない。その他、あちこちにキーワードとなる素材をとっ散らかしたままにした状態。

そう感じてるのは果たしてわたしだけなのでしょうか。

裕輔の逃亡劇もそろそろ佳境に入って来たなという頃に判明する新事実。いや、もっと昔に気付くだろふつう・・・などと突っ込みを入れながら読みました。

2011年10月11日 (火)

ハードラック

ハードラック Book ハードラック

著者:薬丸 岳
販売元:徳間書店
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☆☆☆+

出版社からのコメント
はめられた、このままでは死刑だ! 殺人放火犯にされた若者の命がけの逃亡と真犯人追跡。そして……驚愕と慟哭のラストが!

まず面子集めからはじまるというストーリーがいいですね。たとえそれが犯罪行為であってもひとつの事を成し遂げる為に仲間を集うということ。わくわくさせられるな。で、集まったメンバーを見てとやかく言うつもりもありませんが(笑)。

一応、主人公の仁のぬれぎぬ(これも都合のいい話だ)を晴らすとうのが本筋なのだが、そんな事より誰がどういうトリックで裏切ったのかという点に興味は集中する。読者を引きずり込んでの疑心暗鬼大作戦は成功した模様です。

後半の真犯人探しで話をややこしくしている感があるなあ。無駄に関係者が出て来る。しかしドンデン返しの連続に飽きることなく読めました。で、残り十数ページになり一体どういう形で話を折り畳むのか。変な心配をしてしまいました。

そうだ、以前から観たかった『レザボア・ドッグス』の話が出て来たのでこの機会にDVDを借りて来よう。

 

2011年8月 3日 (水)

刑事のまなざし

刑事のまなざしBook刑事のまなざし

著者:薬丸 岳
販売元:講談社
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☆☆☆+

内容説明
推理作家協会賞短編部門候補作など全7短編ドンデン返しのラストのあまりの絶望に背筋も凍る、推理作家協会賞短編部門候補作「オムライス」他、冷静沈着だが重い過去を持つ刑事夏目が謎を解決する7短編。

『オムライス』
「最後の晩餐」というキーワードを見逃さなければ解明出来るかも。何でもない事故から二重三重の闇に隠されたいた真相をあぶり出される。

『ハートレス』
ホームレスを長くしていると心が荒んで来るとここでは言われている。その言葉を吐いた年配の男が撲殺事件のキーマンになる。タイトルに反してハートウォーミングな結末です。

『プライド』
扼殺事件の犯人探しが始まり、捜査線上に浮かぶ被疑者は本ボシなのか(?)服装に関するトリックから推察すると犯人が分かりました。良く出来たストーリーだな。

『刑事のまなざし』
かつての事件の真犯人とその後の模倣犯、そして新たな事件の犯人…ってどんだけ犯人が出て来るんだ。それによって現在進行中の事件捜査もこんがらがってくる。

全ての話に登場する夏目刑事。哀しい過去を抱えながらも淡々と事件に臨むその姿勢には頭が下がります。どの話もしんみりと沁みるものがある。全七編。


Photo

今回は薬丸さんのサイン本です。

2009年7月10日 (金)

虚夢

虚夢Book虚夢

著者:薬丸 岳
販売元:講談社
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☆☆☆+


内容(「BOOK」データベースより)
愛娘を奪い去った通り魔事件の犯人は「心神喪失」で罪に問われなかった。運命を大きく狂わされた夫婦はついに離婚するが、事件から4年後、元妻が街で偶然すれ違ったのは、忘れもしない「あの男」だった。


うっ、序章からいきなり悲惨な事件現場の出来事が擦り込まれることに。はっきり言って、読むの止めようかとしばし戸惑いました。それくらい重いプロローグだ。事件より数年後、再婚した被害者の妻が壊れていく様には鬼気迫るものがあるな。現夫が恐れおののく描写が実にリアル。


サイドストーリーの舞台になるキャバクラの客で◯◯と呼ばれているのはもしかして・・・という小さなトリックが仕掛けられていたり、本編のストーリーのテーマ(精神障害をもつ加害者)と刑法に挑むかのような大胆なトリックがあったりと、そのあたり緩急をつけてサラッと読ませる柔軟性も。以前の作品ではその筆力が気負うかのように前面に出ていましたので呼吸困難(!)になったことも。


で、ネタバレになるので記しませんが、終盤での被害者元夫婦のふれあいと秘密の手紙などしみじみと訴えかけて来る部分があったり、こういう展開になるとは予想つきませんでした。それまでの重苦しいプロットを思うと意外(?)なことに読後感は悪くないですね。


そしてすべてが一段落した終章でクールダウンし、味わえるのは秀逸なラスト一行。これからの将来を前向きに暗示するかのような・・・いや、この余韻は読まなければ決して分からないという奴ですね。と言いつつ、いま気がついたのだが表紙に描かれたこの曲線って・・・うわっ!

2009年5月11日 (月)

闇の底

闇の底Book闇の底

著者:薬丸 岳
販売元:講談社
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☆☆☆


内容(「BOOK」データベースより)
少女を犠牲者とした痛ましい性犯罪事件が起きるたびに、かつて同様の罪を犯した前歴者が首なし死体となって発見される。身勝手な欲望が産む犯行を殺人で抑止しようとする予告殺人。狂気の劇場型犯罪が日本中を巻き込んだ―。絶対に捕まらない―。運命が導いた、哀しすぎる「完全犯罪」。『天使のナイフ』の薬丸岳が描く、欲望の闇の果て。江戸川乱歩賞受賞第一作。


警察側の長瀬の葛藤がこの本の問題定義として描かれている。
司法の立場であると同時に、被害者遺族でもあるという特異性。


長瀬とベテラン刑事と犯人の三者の視点からストーリーは進む。
それぞれのポイントにぶれが無く、事件の展開へ興味をそそらせる。


ある場面で、一瞬にして犯人が判ってしまった。
と思ったら、どうやら違うみたいだ。フェイントに引っ掛かる。


う〜む。こういう結末が用意されているとは・・・見事に裏をかかれる。


犯罪に対する司法の限界と本当の正義とは何か、ここら辺が大いなるテーマだったのかな。

2009年2月15日 (日)

天使のナイフ

天使のナイフBook天使のナイフ

著者:薬丸 岳
販売元:講談社
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☆☆☆+


内容(「BOOK」データベースより)
生後五ヵ月の娘の目の前で妻は殺された。だが、犯行に及んだ三人は、十三歳の少年だったため、罪に問われることはなかった。四年後、犯人の一人が殺され、檜山貴志は疑惑の人となる。「殺してやりたかった。でも俺は殺していない」。裁かれなかった真実と必死に向き合う男を描いた、第51回江戸川乱歩賞受賞作。


少年法に守られた犯人たちと被害者遺族である桧山の疑念。


あまりに悲惨な事件の過去をもつコーヒーショップのオーナー。かつての犯人の一人が殺害され一躍、疑惑の人になる。わが国のマスコミ報道の一端として類似事例を思い出す。


愛しい娘を守るその意志と義務。


著者は被害者側、加害者側の区別なく、等間隔のスタンスでストーリー展開していく。事件についても、まるで事例として過去のファイルを引っぱり出すかのような描写でパートを重ねるごとに加速していく。


この小説のちょっと前くらいから、よく目にするるワード「贖罪」。


読むにつれて感じる。物語のプロットが背負った世論に対する返答の着地点はどの辺りになるのだろうか。しかし、中盤からエンディングまでのスピード感と、その裏付けとなるエピソードの細部に至るまでの厚みが凄い。


並々ならぬ筆力とセンスを感じた。久しぶりに。

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