コン・今野 敏

2013年2月11日 (月)

欠落

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☆☆☆+ 著者:今野 敏 販売元:講談社 発売日:2013/1/9

内容(「BOOK」データベースより)

特殊班に配属されたばかりの同期の女刑事が、立てこもり事件で人質の身代わりとなって拉致された。警視庁捜査一課刑事の宇田川は、自らが捜査本部に入った殺人事件を追いながらも、彼女の行方が気にかかる。そんなところに警察を懲戒免職になり姿を消していた元同期の蘇我から連絡が入る

読み進むうちに何となく前回の『同期』を思い出して来る。といっても今回同様、宇田川と蘇我が隠れ家レストランで落ち合うシーンだけだが(笑)

しかし今回の相棒となる所轄のベテラン刑事や、警察庁から出刃って来るキャリア官僚など相変わらず脇キャラ設定は万全です。

宇田川が気を揉むのは身代わり人質となった同期の女刑事。自身も連続殺人事件の帳場に身を置き迷走推理から結論を出す。何だか先が読めた気がした。

で、そこに落とすか(!)という着地点で見事な解決を見せるわけですが、最後まで予断を許さない展開が良かったな。ラスト数ページは正直「おまけ」感が否めない。

まぁ確かに和めましたが、別に要らなかっただろうと思うのは好みの問題でしょうか。

2012年10月 1日 (月)

確証

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☆☆☆ 著者:今野敏 販売元:双葉社 発売日:2012/7/18

内容紹介
盗犯を担当する警視庁捜査三課のベテラン刑事・萩尾と、その部下で、捜査一課に憧れを抱きつつも萩尾を慕う女性刑事・秋穂が強盗殺人事件の捜査で奮闘する長編警察小説。いま、もっとも旬な警察小説の書き手が満を持して放つ、シリーズ第一弾! !

ベテラン刑事とその部下の女性刑事。このコンビのやり取りがなかなかいい。とは言ってもこのところ派手目な警察ものなど読んでいたせいか、多少の窮屈さも感じる。

いや、こちらの事件もよく考えれば動機については如何にも虚構ワールドな設定ではないか。読み進むにつれその部分が尺に触ります。

がしかし、リアルに現在だからこそ起こりうるというシチュエーションが上手く描かれてるなぁ。それは才能の裏返しはワーキングプアに通ずるという部分などなどです。

これまた最近よく目にする、主人公の所属部署と捜査一課との軋轢というパターン。もしかして警察小説のトレンドなのか(笑)

ま、冤罪というものに一瞬でもシリアスに考えさせられました。

2012年5月12日 (土)

化合

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☆☆☆ 著者:今野 敏 販売元:講談社 発売日:2011/7/8

内容説明
検事の筋を覆すのは科学捜査と刑事の誇り 1990年、科学捜査の夜明け。猛スピードで犯人逮捕に向かう検事主導の捜査本部に、若き警視庁捜一刑事は抗えるのか。「落ちるな。必ず証拠を見つけ出すから」

うむむ、冤罪はこうやって造られるのかと昨今の事件を回想する。殺人事件そのものは最初から結末が透けて見えました。

本庁の若きエリートと所轄のベテラン刑事コンビ。しかし久々に内容のあるいいチームだったな。検事に相対する管理官以下一同のことです。

謎を推理するほどのストーリーでもなく、人間関係にのめり込み肩入れするでもなく、司法のあり方にささやかな疑問を抱く程度か。

もっとアクティブに躍動する若手刑事の話かと思っていたのだが、読後感じるところは他にあったかな。あっという間の一気読みでした。


2011年11月26日 (土)

エチュード

エチュードBookエチュード

著者:今野 敏
販売元:中央公論新社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆+

内容(「BOOK」データベースより)
渋谷・新宿で相次いで発生した無差別殺傷事件。警察は衆人環視のなか、別人を現行犯逮捕するという失態を繰り返してしまう―。警視庁捜査一課・碓氷弘一は警察庁心理調査官・藤森紗英を相棒に事件の真相に迫る。

この40代後半で警部補なりたての碓氷が出しゃばり過ぎない主役に徹していて、人いきれでごった返す捜査本部でも話が見えやすかったです。相棒となる心理調査官の紗英とは一悶着あっても良さそうだが。

いや、そこは別の嫌味キャラの刑事がなるほど「いい仕事」をしていました。卑屈な態度が上手く出ているという意味で(笑)で、プロファイリングの分析説明なんかが分かり易いというか、こんなんでいいのか(!)という簡潔さ。

そこいら辺をカバーして余有るのが、この各署合同の捜査本部での人間関係の妙でしょうか。碓氷の家庭内で父親としてのポジションなどサイドストーリー的に顔を出し、ある意味こっちの方がリアルに受け止められた。

しかし連続通り魔殺人というショッキングな事件の行方としては、あっさりまとまり過ぎた気もするのだが。心理調査官vs犯人の「読み合戦」がエスカレートした挙げ句、机上の計算通りに都合良く事が進んだ感じです。ちょい惜しいなぁ。


2011年11月 9日 (水)

殺人ライセンス

殺人ライセンス (ジョイ・ノベルス)Book殺人ライセンス (ジョイ・ノベルス)

著者:今野 敏
販売元:有楽出版社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆

内容(「BOOK」データベースより)
パソコン・オタクの高校生キュウが、偶然見つけたオンラインゲーム。殺しを請け負った標的への接近方法、凶器を選択していくが…何度トライしても、すぐに逮捕され、ゲームオーバーになってしまう。数日後、ニュースを見たキュウは驚く。殺人事件の被害者はあの標的だ。

リストラされたサラリーマン相沢が憧れていた探偵に転身する。しかも家族に内緒で。いきなり波乱含みの展開で、まだ事件も起こっていない内からハラハラさせられます。

これは「◯◯ワイド劇場」などでよくあったストーリーではないのか。もしくはそれ向きの話ですね。殺人ゲームが一人歩きしてバーチャルと現実が交錯する話題となる一方、サイドストーリーとして描かれる相沢の娘やキュウたちの恋愛ゲームも熱を帯びてくる。

で、どういう説明づけをして解決するのかと一抹の不安を覚えつつ読みましところ、これはこれで現実的かつ理論的なアンサーでした。連続殺人とおぼしきメインの方は過去にも実例があった事件のような気が。後か先か(?)

表紙カバーに著者コメントとして作品の発表時から目覚ましく激変したパソコン&ネット環境について記されている。が、そのあたり古くささを感じさせず上手くリライトされていました。

「野暮は言いっこなし」というラストの相沢の言葉にニヤリとする。何のことだかは読んで確かめてください(笑)


2011年10月20日 (木)

触発

触発 (中公文庫)Book触発 (中公文庫)

著者:今野 敏
販売元:中央公論新社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆

内容(「MARC」データベースより)
地下鉄霞ケ関駅で発生した爆弾テロは、死傷者三百名を超す大惨事となった。日本中を震撼させる爆弾魔の第二の犯行予告は「午後11時、都内の盛り場」。見えない敵に翻弄される捜査陣。内閣危機管理対策室が出した切り札とは。

本当の戦場の空気を知る二人が仕掛ける側と破る側というのが緊迫感を与えている。その他の自衛官にしろ警察官にしろその点で言えばどこか緩い印象は拭えませんね。そして特命を受けるあたりは如何にもな展開だ。

これも重要なプロットの一つですが、大学教授のテロに対する見解が延々と述べられるのは苦痛ですね。読者は別に専門分野の講義を受けたくて読んでいるのではない(笑)。

で、爆弾犯人に振り回されあちこちの現場へ赴く主人公和也とその仲間たち。話の流れで必要なのだろうが、無駄にページを消費している感があります。偶然と閃きによって事件解決へとまっしぐらというパターンでした。


2011年10月 6日 (木)

転迷―隠蔽捜査〈4〉

転迷―隠蔽捜査〈4〉Book転迷―隠蔽捜査〈4〉

著者:今野 敏
販売元:新潮社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆☆

内容(「BOOK」データベースより)
相次いで変死した二人の外務官僚。捜査をめぐる他省庁とのトラブル。そして娘を襲ったアクシデント…。大森署署長・竜崎伸也に降りかかる難問の連鎖、やがて浮かび上がった驚愕の構図。すべては竜崎の手腕に委ねられた!極限の緊迫感がみなぎる超本格警察小説シリーズ最強の新作。

理屈と理屈がぶつかり合うとそれは屁理屈になる。竜崎が誰かとの押し問答になるとついそう思いますね。ショートコントにすら思える事も(笑)相変わらず家族の事には鈍感な竜崎。娘とその彼氏の事で言い合う場面は今回のひとつの見せ場だな(笑)で、意外な理解者が息子でした。これもかつての問題児ですが。

以前からの天敵である野間崎管理官と連係することになり、これ迄の経緯から二人のやりとりが面白い。そして麻取の捜査官や外務省官僚など反目する人間を知らず知らずに取り込んでしまうのも竜崎の人徳か(?)今回はこうした脇キャラが随分と活躍したなぁ。主人公を引き立てる援護射撃ですか。

色んな事件が同時進行で捜査される慌ただしさの中、署長室で判押しをしながら指揮をとる竜崎。そこには何者をも寄せ付けない彼独自の時空が存在するのだろう。で、もつれ合った糸をどういう具合に決着をつけるのかと思っていると、なかなか説得力のある結論を見ました。大人の落としどころと言う奴ですね。


2011年6月 1日 (水)

ヘッドライン

ヘッドラインBookヘッドライン

著者:今野 敏
販売元:集英社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆+

内容(「BOOK」データベースより)
TBNテレビの人気報道番組『ニュースイレブン』の遊軍記者・布施。警視庁捜査一課・継続捜査担当のベテラン刑事・黒田。偶然にも二人が追い始めた未解決の女子学生猟奇殺人事件、背後には都会にうごめく巨大な闇が…。最新長編ミステリー。

この小説の中でわたしが一番感情移入出来たのがテレビ局デスクの鳩村ですね。主人公の刑事黒田や遊軍記者の布施でもなく、看板キャスターの鳥飼や恵里子でもない。テレビ番組の現場を仕切る鳩村なんです。

如何わしいカルト教団に六本木のダークサイド、CIAエージェントと舞台装置も出揃ってどう展開するかと息をのむ。も、ちまちまと狭いエリアを行ったり来たりで捜査自体も進展をみせません。

しかし、主人公黒田をさておいて、その人となりが良く描かれ過ぎのきらいがある布施ちゃん。しれ〜っとしたそのキャラと自然体の活躍ぶりは完全に主役を食っています。こういうキャラ設定も久々ですな。

その焦らし作戦の割に、テレビ局内の状況や事件の手がかりなど、飽きさせずに読ませるあたりは返って凄いかも。黒田と布施の関係が何となくおかしい。この手の小説では見た事のない、っていうかありえない立場関係ですね。

残りページがあとわずかながら、どういう結末を迎えるのか心配になる。と思っていたら畳み込むように事件は解決して、何となく分かったような終焉を見せます。いい雰囲気で読み進んでいただけに、おっつけエンディングが悔やまれます。

2010年7月15日 (木)

初陣 隠蔽捜査〈3.5〉

初陣 隠蔽捜査〈3.5〉Book初陣 隠蔽捜査〈3.5〉

著者:今野 敏
販売元:新潮社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆+

内容(「BOOK」データベースより)
警視庁刑事部長・伊丹俊太郎と大森署署長・竜崎伸也。幼馴染にして立場の違う同期のキャリア。組織の壁に悩む伊丹の苦境を竜崎の信念が救う―。

ことあるごとに、あいつには叶わないと思い知らされる伊丹。そう、あいつとは勿論われらが竜崎であります。温泉旅行に来ても落ち着かない『休暇』の伊丹。意外に細やかな神経の持ち主だったとは。

『病欠』での伊丹の間抜けぶりにも笑えました。普段虚勢を張っているところがあるだけに、その姿を想像すると可笑しかったです。『試練』は珍しく竜崎から頼み事をして来る話。実は『疑心ー隠蔽捜査3』とリンクしていて裏話が明らかに。

どの話も事態に行き詰まると不本意ながらも竜崎へ電話してしまうのだが、ここでの竜崎の言葉は、伊丹にとってまさしく「天の声」であるに違いない。そしてアドバイスに従い解決をみるというパターン。

そんな同じようなストーリーが全八編。なのであっという間に読み終えました。また「隠蔽捜査シリーズ」を最初から読んでいないと、本編では見られない伊丹の慌てふためきぶりが満載のこのスピンオフ本は楽しめないだろうなと思います。

2010年6月16日 (水)

疑心―隠蔽捜査〈3〉

疑心―隠蔽捜査〈3〉Book疑心―隠蔽捜査〈3〉

著者:今野 敏
販売元:新潮社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆

内容(「BOOK」データベースより)
キャリアながら息子の不祥事で大森署署長に左遷された竜崎伸也。異例の任命で、米大統領訪日の方面警備本部長になった彼のもとに飛び込んできたのは、大統領専用機の到着する羽田空港でのテロ情報だ―。

冒頭から、少しは妻に気を遣うことを覚えた竜崎みたいですが、変人ぶりは健在で微笑ましい。前作のエンディングからの流れが続いていますな。

で、今さら色恋沙汰ではないだろうが、竜崎のもとに配属された美人部下の畠山のことを意識しはじめる。お〜いあんたは中学生かっちゅーの(笑)。

結局、今回伊丹に相談した事がこれまで一番打ち解けた瞬間だったとは…呆れました。肝心の米大統領警備については…先方のSPとの対決がなかなか良い。

ま、テロ計画の事件解決は都合良く電光石火の決着でしたね(笑)。

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