オキ・荻原 浩

2010年5月29日 (土)

ちょいな人々

ちょいな人々Bookちょいな人々

著者:荻原 浩
販売元:文藝春秋
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆

内容(「BOOK」データベースより)
社内女性のほめ言葉に有頂天になる中年課長はじめ、おっちょこちょいだけど愛すべき人たちの破天荒なユーモアワールド。

『ちょいな人々』
あいたたたたっ…な人々と言った方が似合いそうな職場の面々。で、若いおねーちゃんOLの言葉はすべて好意的にとってしまう情けない男の性。普通にありそうな話ですね。

『いじめ電話相談室』
これは痛快な話だったなぁ。と簡単に表現するわたしが単純なのか…。学校でのいじめ、塾でのいじめ、やがては職場でのいじめ…まさかこう来るとは。そして冒頭のコメントのようにオチになります。

『正直メール』
まさに現在進行形で社会風刺してる話です。これって携帯メールの近未来形でしょうか。女子高生ふたりのやりとりがエスカレートして…が、最後の一行に救われました。

作品ごとの出来の良し悪しがはっきり判りましたね。上記に紹介した以外、さほど引っ掛かるところのない話、もしくはどこかで読んだような話でした。全7編収録です。

2010年5月17日 (月)

さよなら、そしてこんにちは

さよなら、そしてこんにちはBookさよなら、そしてこんにちは

著者:荻原 浩
販売元:光文社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆

内容(「BOOK」データベースより)
世のため、人のため、そして家族のため、働き者の悲哀を描く、著者独壇場の傑作集。

サラッと読めて、ちょびっと沁みる。それは涙腺やほっぺたを緩ませながら、主人公と同化したり、ストーリー自体を俯瞰してみる楽しみでもあります。

各話のタイトルに描かれた主人公のイラストがすごく自然体だ。読みながらイメージ通りの人物が想像出来る。割と冷めた目線で読んだ話もあったような…。

あ、オチはどれも控えめな感じです。しんみりくるとか、じーんと胸を打つとかというのではないな。どこかほのぼのとした読後感ですね。

2010年4月 1日 (木)

押入れのちよ

押入れのちよ (新潮文庫)Book押入れのちよ (新潮文庫)

著者:荻原 浩
販売元:新潮社
発売日:2008/12/20
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆☆

内容(「MARC」データベースより)
今ならこの物件、かわいい女の子(14歳・明治生まれ)がついてきます…。幽霊とサラリーマンの奇妙な同居を描いた表題作ほか、「木下闇」「殺意のレシピ」「介護の鬼」など全9話を収録した、ぞくりと切ない傑作短編集。

『押入れのちよ』は流石に表題作だけあって白眉ですね。ぼろマンションの隣人たちが実に効いているキャラ。この辺りが短編ながら奥行きのある作品となっている。ほんと上手いなあ。切なくも明るくなれる不思議な感覚が心地好いです。

生理的に受け付けなかったのが『老猫』ですね。猫好きなわたしだけに、妙にリアルにこの老猫を想像してしまい…今回、一番怖い話でもありました。場面によってはコントか(?)と思える『予期せぬ訪問者』。このシチュエーションというのは昔からあるな。

読みはじめてすぐわかってしまったけれど、しんみりしながらも温かな気持ちになれるのが『しんちゃんの自転車』ですね。他『お母さまのロシアのスープ』『コール』『殺意のレシピ』『介護の鬼』『木下闇』の全九編を収録。

2010年3月17日 (水)

メリーゴーランド

メリーゴーランド (新潮文庫)Bookメリーゴーランド (新潮文庫)

著者:荻原 浩
販売元:新潮社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆+

内容(「BOOK」データベースより)
過労死続出の職場を辞め、Uターンしたのが9年前。啓一は田園都市の市役所勤務。愛する妻に子供たち、あぁ毎日は平穏無事。…って、再建ですか、この俺が?あの超赤字テーマパークをどうやって?!でも、もう一人の自分が囁いたのだ。“やろうぜ。いっちまえ”。平凡なパパの孤軍奮闘は、ついに大成功を迎えるが―。笑って怒って、時々しんみり。ニッポン中の勤め人の皆さん、必読。

家族愛、とりわけ妻と夫のそれに強い絆を感じる。「なかなかいい奴だと思うよ」と自分の夫に対してサラリと言えるこの妻のス・バ・ラ・シ・サ!それは謙虚であることの裏返しのように思えました。ほんといい奥さんだぁ。

お役所仕事ならではの大変さとお気楽さが同時にわかりました。ああ、これで終わったか…と思いきや、ちゃんと戻るポストが用意されている件などまさに(!)なるほど、公務員の何たるかをまざまざと見せつけられた瞬間でした。

一地方都市のイベント企画から開催、そしてその顛末を凝縮したお話な訳です。で、クレ○パ○ラもカ○オぺアも(←いい加減ネタバレ!)即座に出て来ない名前ってありますね。ラストの星空の下のメリーゴーランドは想像するだけで楽しいな。

2009年12月20日 (日)

あの日にドライブ

あの日にドライブBookあの日にドライブ

著者:荻原 浩
販売元:光文社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆

内容(「BOOK」データベースより)
哀愁と感動の傑作長編小説。人生、今からでも車線変更は可能だろうか。元銀行員のタクシー運転手は、自分が選ばなかった道を見てやろうと決心した。

はじめ人生の分岐点であったところの過去へとタイムスリップする話かと思っていたのですが、ちょっと違うアプローチで意識はあの頃へといった感じでしょうか。そんなバーチャル人生ごっこに終始する主人公伸郎。

しかし身近な物、何にでも名前を付けてしまう妻の律子には笑える。伸郎との会話にしろ、十七年連れ添った夫婦ならではの間というものが上手く描かれているな。タクシー運転手という職業の大変さなど家庭を通して判ります。

で、このバーチャル人生ごっこ。自分でも試してみる。どこから(?)って考えたりする内に、どうも気分がのらずに断念。小市民でリアリストのわたしには今を生きる事で精一杯でして・・・。「あの日にかえりたい」なんて歌を想い出しました。


2009年3月14日 (土)

千年樹

千年樹Book千年樹

著者:荻原 浩
販売元:集英社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆


出版社/著者からの内容紹介
木はすべてを見ていた。
ある町に、千年の時を生き続ける一本のくすの巨樹があった。千年という長い時間を生き続ける一本の巨樹の生と、その脇で繰り返される人間達の生と死のドラマが、時代を超えて交錯する。


樹齢千年を越えるといわれるくすの木が見守ってきた時代を経た幾つもの物語。
空襲で逃げ回る家族、タイムカプセルを埋めにきた幼稚園児と先生、切腹を目前にした侍。
そしてズブリと。痛てててててて・・・痛そう。
あと首吊り自殺するのに躊躇する樣は『誘拐ラプソディー』の冒頭と似てる。


そんな時空を越えたエピソードが現代と何処かで繋がるようになっている。
はずだが、前後する時代があまりにも遠い昔のことだったりしてピンと来ない場面も。


これは風呂敷広げすぎたか。話によっては無理目な展開もあるような。


必ずしもいい話ばかりでなく、結構怖い目に遭わせたりしてくれる千年樹。
幼稚園から幼なじみの面々が高校生になりかなりキツい関係に。これってホントに辛そう。


戦国時代から江戸時代から昭和初期から第二次大戦から高度成長期からとワープする物語。
最後にやっと主人公の現在の勤務先の話へ。
各編とも過去のパートで曰くが語られ、現代のパートで幼なじみのメンバーのエピソードになる。


切なくちょっぴり悲しい辛口の連作ファンタジー。


『萌芽』、『瓶詰の約束』、『梢の呼ぶ声』、『蝉鳴くや』、『夜泣き鳥』、
『郭公の巣』、『バァバの石段』、『落枝』の八編収録。


2009年2月12日 (木)

噂 (新潮文庫)Book噂 (新潮文庫)

著者:荻原 浩
販売元:新潮社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆+


内容(「BOOK」データベースより)
「レインマンが出没して、女のコの足首を切っちゃうんだ。でもね、ミリエルをつけてると狙われないんだって」。香水の新ブランドを売り出すため、渋谷でモニターの女子高生がスカウトされた。口コミを利用し、噂を広めるのが狙いだった。販売戦略どおり、噂は都市伝説化し、香水は大ヒットするが、やがて噂は現実となり、足首のない少女の遺体が発見された。衝撃の結末を迎えるサイコ・サスペンス。


渋谷の女子高生の間で広がっていた噂どおりの事件発生。それは「レインマンに出会うと足を切られちゃう」というもの。そして足首を切り落とされた女子高生の死体が発見された。これはかなりインパクトありました。


女子高生の娘をもつ小暮刑事は、本庁の若い女性刑事と組むことに。しかも彼女が上官だ。このコンビがかなりいい。お互いに遠慮しながらも適度な距離感で事件解明にあたる。ついでに少しいい雰囲気にもなったりして。


香水の販売戦略としての口コミを仕掛けた企画会社の女社長。


この仕掛けとなる説明会や女子高生の興味の惹き方など、元業界人であった著者ならではの引出しが大いに活用されています。噂話というものがいかにして広がっていくのか、メディアに載らない情報としての特異性など、なるほどとうなずく。


広告代理店の担当者との絡みや警察コンビの捜査の模様が、案外軽いタッチで描かれていてサクサク読めます。猟奇事件の血なまぐささも緩和されてます。実際にこの本も女子高生ねらいのところなど多分にあるのでしょうか。


「嘘ぴょ〜ん」、終盤に出て来るこの言葉の絶妙なタイミングにニヤリ。


サスペンスとしての怖さと事件としての動機の部分に少しひっかかりますが、納得のいく結末ではあります。それなりの衝撃もちゃんと用意されていましたし。犯人は途中からもしかして、と思っていたらアタリました。

2009年2月 9日 (月)

誘拐ラプソディー

誘拐ラプソディー (双葉文庫)Book誘拐ラプソディー (双葉文庫)

著者:荻原 浩
販売元:双葉社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆


出版社/著者からの内容紹介
スリルとサスペンス、ユーモアとペーソス、エンターテインメント小説のすべての要素がてんこ盛りにかかわらず、胸やけするどころか胸がジーンとなること必至。本書を読まずして「誘拐ラプソディー」は語れない。今世紀最高のコミック・ノヴェル!


金と運に見放された冴えない男。ふとしたきっかけで子供を誘拐するハメに。しかし、そこから男の災難は始まるのであった・・・。連れ回している子供は何とヤクザの息子。身代金の受け取りに失敗、敵対する香港マフィアに拉致され次から次へと災いが。


葛飾から始まり、与野、大宮、七里と埼玉方面を主な舞台としたローカル性が、程よいリアリティを醸し出しています。それは、バイパス沿いのファミレスやコンビニ、すたれた繁華街など誘拐犯のお約束の立ち寄りスポットとして。あの『なかよし小鳩組』へのオマージュも一行だけ出て来ます。気が付くかな。


終盤はまさにラプソディー(狂詩曲)というべき、善悪入り乱れての大乱戦へと突入していきます。多少、やっつけ感があったような気もするラストです。


読書メーター

  • mizzoの今読んでる本

最近のトラックバック

最新ニュース

参加しています

  • にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
  • にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
  • blogram投票ボタン
  • 人気ブログランキングへ

mixi

  • mixi(ミクシィ)やってます!
2018年1月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

カテゴリー

無料ブログはココログ