ワ・その他

2015年6月 6日 (土)

美貌帖

9784309275581

☆☆☆+ 著者:金子國義 販売元:河出書房新社 発売日:2015/2/4

内容(「BOOK」データベースより)

絢爛たる美貌の軌跡!絵画、デザイン、舞台、着物、料理、文学、映画、音楽、バレエその美意識の出自をすべて綴った初の自伝、ついに刊行!55枚の自選アルバム収録。

序章の『部屋の中』よりあの憧れの私邸の各部屋やアトリエについて、そこを彩る小物たち(絵画は勿論、写真立て、ぬいぐるみ、雑誌、ストンドランプ、他)が詳細に記される。

蔵書であるカラーグラビア『L’Elegance』のページを捲りながら、それらを照らし合わせ確認する楽しみ。「55枚の自選アルバム収録」として初めて目にするスナップ写真もありました。

金子先生の華々しくも古風かつ前衛的なバイオグラフィー。これまで見聞のなかったエピソードなどなかなか興味深い件にニヤリとしたり、感心したりと楽しめました。

表紙カバーの絵と本体表紙のモノクロ写真が同じ構図でリンクしているという贅沢な装丁。フォントの色使いも洒落ています。近年少なくなった凝った装丁。

そういえば移転する以前の『紅蝙蝠』に足を運ばなかった事が悔やまれる。写真や映像で目にする「そこにしかない」という「京の粋」が香るその佇まい。

さて次の休日あたり、神田の『美術倶楽部ひぐらし』に足を運ぼう。先生を偲んで。

2015年2月20日 (金)

その女アレックス (文春文庫)

9784167901967

☆☆☆ 著者:ピエール・ルメートル 翻訳:橘 明美 販売元:文藝春秋 発売日:2014/9/2

内容(「BOOK」データベースより)

おまえが死ぬのを見たい男はそう言ってアレックスを監禁した。檻に幽閉され、衰弱した彼女は、死を目前に脱出を図るがしかし、ここまでは序章にすぎない。孤独な女アレックスの壮絶なる秘密が明かされるや、物語は大逆転を繰り返し、最後に待ち受ける慟哭と驚愕へと突進するのだ。イギリス推理作家協会賞受賞作。

第一部で誘拐されたアレックスは果たして無事に脱出出来るのか?犯人トラリューの得体の知れなさにも興味を惹かれとりわけネズミとの攻防には予断を許さないものがあります。やがてアレックスが目論んだアイデアに感心。

第二部に入ると被害者である筈のアレックスの正体が徐々に露わになって来る。この辺りから読者を欺くテクニック、予想していた展開を見事に裏切っていく様は読み応え十分。そして怨念を込めたトリックが披露される第三部へ・・・。

過去にアレックスに降りかかった災難にしても事の壮絶さに突っ込みどころも多々ありました。そしてカミーユ刑事とその仲間たちのキャラもなかなか楽しめました。

実に久々の翻訳もの(ブログ初掲載!)でしたが、ありがちな過剰な状況描写や小道具などのオーバーリアリティが思いの他少なく、その点は好印象。で、これはミステリーというより一種の「サイコスリラー」作品を傍観していたという読後感ですかね。

DONAさんのブログから興味を持ち手に取るまで、結構話題になっていた作品とはつゆ知らずでした()


2014年7月 5日 (土)

「テレビリアリティ」の時代

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☆☆☆ 著者:大見崇晴 販売元:大和書房 発売日:2013/11/22

内容(「BOOK」データベースより)

日本では、なぜ芸人とアイドルばかりがテレビに出ているのか?バラエティ番組の変容を追いながら、独自の発展を遂げた戦後日本のテレビ文化を読み解く。

「バラエティ番組」といえば、人気芸人が軽妙なトークで司会を仕切り、ゲストのタレントや芸人仲間たちで何やら無理矢理盛り上がり、内輪ウケに終始する番組であると思われているのではないか。いやその事に異論も少ないのでは。

本来、「バラエティ」というものは、歌あり、踊りあり、コントあり、しかもそれぞれが皆クオリティの高い出し物として「大人の鑑賞」に充分堪えられた。というTVプロデューサーの見解を目にした事があり、なるほどと膝を叩いた事がありました。

大昔に放送されていた『シャボン玉ホリデー』が国内ではそのルーツなのかな。わたしも微かに見た記憶では(おかゆコントとか)、各コーナーがまるで一本のミュージカルショーの如く繋がり、人気歌手やビッグバンドの演奏によるフィナーレの豪華さに子供心を躍らせていた。

確かに時代と共に番組内容に対する需要も変化するのでしょうが、あまりにもお笑い芸人による「学芸会」レベルのやっつけ番組が多い気がする。いや、芸人たちも少し売れっ子になると、「芸」を披露するよりトーク番組のひな壇芸人と化してしまう。目指すところは自らの冠お笑いバラエティの司会業か。

一般の視聴者からしてそんな風評がある事だし、ましてテレビ業界人(かつての)の人には今の「バラエティ番組」の凋落ぶりにため息を漏らすばかりであろう。皮肉なことに、人気芸人と旬のアイドルが出演していれば高視聴率が約束されるという側面も「バラエティ」の質を下げている大きな要因ですね。いまさらですが。

2014年4月 6日 (日)

菊池武夫の本

9784838724376

☆☆☆☆ 著者:菊池武夫 販売元:マガジンハウス 発売日:2012/5/17

内容(「BOOK」データベースより)

なぜ、73歳がここまでカッコイイのか。50年のデザイナー人生集大成。

『MENS BIGI』『TAKEO KIKUCHI』のブランド名を聞けばその短髪眼鏡でエセ英国紳士、あるいは無国籍ダンディ然とした風貌を思い起こさせる。もっと遡れば稲葉賀惠とセットで語られ、'70年代初頭に最初の煌めきを放った『BIGI』の頃。

そんな「タケ先生」のバイオグラフィーを時代背景や交流のあった人たちとの対談や往時の写真などを交えて読ませる。というより「魅せる」と言う方がしっくり来る本書。何しろ挟み込み写真のカットの数々にワクワク(!)

立木義浩、ショーケン、矢沢永吉、四方義朗について語られるエピソードは何度も読み返したほど私には興味ある内容。そしてかつてのパートナーであり妻でもあった稲葉賀惠、一時疎遠を囁かれていた盟友大楠祐二との三者対談には、ページを捲るのがもったいない位の至福を享受。

装丁と各章のタイトルを「青」で構成する所などは希代の洒落男のセンスのほんの一端に過ぎず、本書を捲って最初に目に飛び込む「TAKEO KIKUCHI BOOK」の書体と文字色のコントラスト、自らのアパレル履歴が一瞬、フラッシュバックした。

2013年12月15日 (日)

ALPHA CUBIC 佳き日、良き人、そして、あなたに

9784838723614

☆☆☆+ 著者:柴田良三 販売元:マガジンハウス 発売日:2011/11/25

内容紹介

1960年代から1990年代。アルファ・キュービックは、異彩を放ちながら、彗星のようにアパレル界を駈け抜けた。確かにその時代には、人の温かい肌触りと、熱い息遣いがあった。アルファ・キュービックは、他業界に先駆けて「生活提案型」の理念のもと、衣・食・住・生活、文化、未来など、あらゆるジャンルに進出して経営を展開した。サンローラン、レノマ、ラネロッシなどのアパレルを中心に、エル・トゥーラなどのレストラン展開、雑誌出版、ゴルフ場、芸能プロダクション、レコード会社などの経営、ルマン24時間レース参加など、華やかな時代の最先端を突っ走ってきた。

元社長である著者の柴田氏ご本人にはお会いした事はないが、かつて『アルファキュービック』の女性スタッフから、自社ブランドに対する思い入れとプライドを事細かに聞かされた事がある。

田中康夫著『なんとなく、クリスタル』の中で自社が如何に重要なファクターで語られているかなどなど。そう話す彼女の夢見るようなキラキラしていた瞳が今でも脳裏に焼き付いている。

で、著者は如何にして『アルファキュービック』を立ち上げブランドを浸透させ、かつ増収を計り成長企業となりえたのか。その隆盛の秘訣は無論のこと、後に訪れる崩落について興味があった私としては読み応え充分でした。

まあ予想通り柴田氏の若年の頃からの人脈の豊かさ、そしてそれを活かす術を本能で会得している点。本書でも欧州ツアーのアレンジャーとして登場するかの『キャンティ』の女主人梶子さん。

彼女については『キャンティ物語』でその偉大さをこれでもかと見せつけられていましたが、ここでも才気ある若者にたいするビッグママっぷりを発揮されております。

一般的に企業の平均寿命と言われる30余年をもって、アパレルカルチャーに一時代を築いた和製ブランドとしての役割を十二分に果たしたと感慨に耽る私です。

2013年10月12日 (土)

エゴ ~ 加藤和彦、加藤和彦を語る

9784906700882

☆☆☆+ 著者:加藤和彦/前田祥丈 販売元:スペースシャワーネットワーク 発売日:2013/7/19

内容紹介

【初版仕様・初CD化音源付き】

その存在さえ知られなかった

奇跡の加藤和彦のロング・インタビューが発見された!

これまで読んだトノバンの追悼本としては一番良かったですね。厳密に言えばかなり昔に書かれたものであって、このタイミングで発売されたまでの事でした。

各々のエピソードに注釈があり、しっかりとデータ分けされていて読みやすかった。まぁ近年、ズズ絡みの本も結構読む機会があって、やはり「トノ&ズズ」の括りでイメージしてしまいますね。

さて、これを読んでしまったらこの先「加藤和彦」の本を手にする事があるのだろうか、と言うくらいお腹いっぱいになりました。新たな発見もちらほら。

案の定、しばらくして旧著のグルメ写真集やライフスタイルブックなど引っぱり出して再読しました。やはり好きなんですよね(笑)

2013年8月10日 (土)

たとえば好き たとえば嫌い 安井かずみアンソロジー

9784309020600

☆☆☆ 著者:安井かずみ 販売元:河出書房新社 発売日:2011/8/24

内容(「BOOK」データベースより)

戦後の歌謡史に数々の名作を残し、エッセイストとしても活躍した安井かずみが21世紀の女性たちに贈るアンソロジー。その華麗なライフスタイルと交友録、旅、おしゃれ、食、恋愛。

ZUZU(ズズ)の生涯に発表したエッセイの集大成といった感がある本書。彼女がおそらく最後の輝きを放っていたであろう時期の「ワーキングカップル事情」の章で括られるのが当時リアルタイムで読んでいただけに切ない。

以前にどこかで目にしたかも知れない「めぐり逢う人、めぐりくる事」では、親友加賀まりこと初夏の軽井沢で初めて会ったシーンがドラマチックに語られる。言葉選びの上手さは流石です。

「メルセデスの忠告」の車の感情を比喩で見事に会話として成立させているあたりにも、やはりエッセイストとして並々ならぬセンスを発揮しています。しかしオレンジ色のロータスにグレーのメルセデス。男前な彼女に似合います。

全般的に片仮名英語やスタイリッシュに綴られた文体が鼻につく読者もいるらしい。ZUZUと同世代かそれに近い女性が割と多いのかも。業界人として若くして成功した彼女の表現方法が薄っぺらく感じてしまわれるのは残念ですね。

2013年3月22日 (金)

したくないことはしない

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☆☆☆ 著者:津野海太郎 販売元:新潮社 発売日:2009/10/31

内容紹介

外国にいったこともないのにニューヨーカーみたいで、貧乏なのにお洒落、若者を夢中にさせた老人----。ジャズ、ミステリ、映画、古本、散歩......サブカルチャーの輝ける旗手の知られざる人生を、名編集者が描き出す。

植草さんに対してのイメージは多くの人と同じように「自由人」というのが長らくわたしの中にあった。しかし自由奔放に生きていたようでその裏側のコンプレックスや葛藤などについての炙り出し具合がいい。

お姉さんから影響を受けたことや現役バリバリの東宝時代、まるで別人のように見える恰幅のいい中年期、そして多くの人の知る晩年の仙人然とした白髪髭面のお馴染みの姿。

氏の著作についてはほとんどエッセイの一部を齧った程度のわたしだが、随分昔から気になるお洒落紳士という位置づけは変らなかった。それはもちろん「ファンキーじいさん」という前衛的老人として。

2013年3月 2日 (土)

安井かずみがいた時代

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☆☆☆+ 著者:島崎今日子 販売元:集英社 発売日:2013/2/26

内容(「BOOK」データベースより)

4000曲の詞を紡ぎ、時代を駆け抜けた作詞家・安井かずみ。林真理子、コシノジュンコ、金子國義、ムッシュかまやつ、吉田拓郎。20人余の証言から浮かび上がる、伝説の女の素顔。

webの記事でこの連載エッセイを知り、ほどなく単行本化の情報を得て予定通り発売日に手にしました。

ZUZUこと安井かずみさんのことは、トノバンこと加藤和彦フリークであるわたしにとって、80年代頃から急速にその人となりを知りました。

トノバンのかの「ヨーロッパ三部作」のスノッブで甘美な世界に酔い痴れたひとりですわたしも。その全作詞が安井さんの仕事だった訳です。ほんと凄かった(!)

で、本書では安井さんが女性として最も輝いていたであろう60~70年代のエピソードに改めて驚愕し、加藤氏とワーキングカップルとなってからの変化を再認識しました。

まさにアバンギャルドからコンサバへ、それは時代のミューズたりえたZUZUの不良娘から大人の女性への成長とも言い換えられるのかも知れません。

本書はZUZUにまつわる方々からのインタビューにより形成された内容ですが、当事者のお二人が生存しない現在、その話の誇張感をどのあたりまで受け入れるかが楽しみ方の指標になるのかと…。

2012年6月 2日 (土)

ビートルズとボブ・ディラン (光文社新書)

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☆☆☆+ 著者:中山康樹 販売元:光文社 発売日:2010/5/20

内容(「BOOK」データベースより)
60年代、絶大な人気を集めて世界を席巻したビートルズと、プロテストソングの歌い手として若者の支持を集めたボブ・ディラン。前者はロック、後者はフォークと、一見相いれないジャンルを代表するアーティストとして解釈されがちだが、実は互いに影響を与え合っていた。

ジョンとディランがプライベート録音したテープが眠っているという証言を知り得たのがこの本を手にしての一番の発見。そしてディランが畏敬の念を抱いていたのがポールだったという意外性。いやぁ、読まずに死ねるかと言える1冊でした。

随分昔の事になるが、「トラヴェリング・ウィルベリーズ」のアルバムを聴いてその音抜けの心地好さに感激。ジョージとディランはそれまでにも共演していたが、そこにジェフ・リンとトム・ペティ、そしてなんと大御所ロイ・オービソンがメンバーになっていてまさに夢の共演だった。

その後、ロイに代わってデル・シャノンの加入が噂されるも叶わなかった。本書の冒頭エピソードから読み始めてずっと、長い長いドラマチックなロックヒストリーを傍聴している幻想にとらわれた。

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