アンソロジー

2011年10月27日 (木)

放課後探偵団

放課後探偵団 (書き下ろし学園ミステリ・アンソロジー) (創元推理文庫)Book放課後探偵団 (書き下ろし学園ミステリ・アンソロジー) (創元推理文庫)

著者:相沢 沙呼,市井 豊,鵜林 伸也,梓崎 優,似鳥 鶏
販売元:東京創元社
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☆☆☆

内容(「BOOK」データベースより)
『理由あって冬に出る』の似鳥鶏、『午前零時のサンドリヨン』で第19回鮎川哲也賞を受賞した相沢沙呼、『叫びと祈り』が絶賛された第5回ミステリーズ!新人賞受賞の梓崎優、同賞佳作入選の「聴き屋」シリーズの市井豊、そして2011年の本格的デビューを前に本書で初めて作品を発表する鵜林伸也。ミステリ界の新たな潮流を予感させる新世代の気鋭五人が描く、学園探偵たちの活躍譚。

以前、盟友の i g a i g a さんが書かれていた通り、わたしも「放課後」というタイトルに吸い付けられました。勿論、わたしにも放課後なんてない(笑)。

で、どんな「放課後」や「青春」が飛び出すのかと過剰な期待と共に読み進めました。当然の事ながら爽やかなものから、人間不信になりそうなものまで青春シチュエーションも数種類でした。

タイトルから一番トリックに感心を寄せたのが『ボールがない』です。過去に同テーマの小説や漫画が存在するだけに、これはと思ったのですが…ま、今年の長編デビュー前の作品としてはこんなものか。

『午前零時のサンドリヨン』の雰囲気が好きだったので、相沢さんの『恋のおまじないのチンク・ア・チンク』は、やはり同じ匂いのする秀作でした。

ひと味違ったのが『スプリング・ハズ・カム』ですね。タイムカプセルという小道具もいいし、限られたページでミステリミステリとした謎解きへ誘導されるのもわくわくしました。これぞ短編ミステリの醍醐味(!)。

全5編の健全な精神と身体の青少年が多数登場する良質なミステリでした。


2011年3月 1日 (火)

誇り

誇りBook誇り

著者:今野 敏;東 直己;堂場 瞬一
販売元:双葉社
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☆☆☆+

内容紹介
当代きっての警察小説の書き手による、男が泣ける警察小説集。盗犯係のベテラン刑事が真犯人に迫る「常習犯」(今野敏)、定年退職した刑事が幼稚園の送迎バスの運転手になる。そこで見た光景に事件の影が……「猫バスの先生」(東直己)、捜査情報が外部に漏れて、証拠書類が消えた。刑事部長として俺は何をするべきか……「去来」(堂場瞬一)。読み応え充分。

『常習犯』
まるでオムニバス映画の一作品を観ているような錯覚にとらわれました。それほど完成度の高いプロットだと思います。空巣のプロと、それに対峙して来たベテラン刑事の確執。息をもつかせぬ会話のやりとりに職人芸を感じましたね。

『猫バスの先生』
バスの運転手さんの話だ(!)という、どこかのんべんだらりとした感覚で読み始めると、元刑事の鋭い観察眼からうんぬん…もう、目が離せなくなる展開になって行きます。穏やかな景色と平行して、どんどん加速していく警察小説の妙を堪能出来ます。

『去来』
のっけから「犯人」まるわかりな、ネタばれ作品でした。がしかし、上級職であり、本件の中間管理職の役回りとなる菅谷部長には、頭が下がるばかりです。とくにエンディングでの娘とのやりとり。この本のタイトルを見事に体現していました。

いや~ネットの図書館本予約でこの本を見つけた時は、ちと驚きました(!)警察小説の第一人者たちによる夢の競演(!)なるほど、どれもが高水準な「警察小説」として楽しめました。一粒で三度おいしい思いが出来ます。

2010年5月14日 (金)

Story Seller Vol.3

Story Seller (ストーリー セラー) Vol3 2010年 05月号 [雑誌]BookStory Seller (ストーリー セラー) Vol3 2010年 05月号 [雑誌]

販売元:新潮社
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☆☆☆

内容説明
ALL読み切り、書き下ろし!読み応えは長篇並、読みやすさは短篇並!

『男派と女派』沢木耕太郎
これはなかなか興味をそそる話でした。ここで語られる八十の寿司屋のおやじとはあの数寄屋橋○◯の主人だろう。たしかいつも手袋をしている筈だ。そしてわたしは男派か女派かというと…しばし考えてみるとします。

『作家的一週間』有川 浩
いかにも業界内輪ネタでやっつけ仕事しました的な仕上がりとお見受けしました(笑)。しかもある単語の新聞掲載について引っぱる引っぱる…いくら学術的な表現をもってしても、所謂下ネタでしょうが…という感は拭えませんでした。

『満願』米澤穂信
弁護士志望の苦学生と下宿先のおかみさん。そして時を経て、そのおかみさんを弁護することになる静かなるミステリ。何とも言えない雰囲気を醸し出すあたりは流石ですね。西瓜に塩をふって食べるくだり…子どもの頃を思い出します。

『555のコッペン』佐藤友哉
コッペン→骨片(?)と脳内変換しながら読み始める。おっと、またまた登場の土江田。懲りないなぁ(笑)。そしていきなり赤井さんが出て来てホッとする。彼女のファンなもので。今回、一番安心して読めたのがこれですかね。

いやぁ〜三冊目となると、流石にマンネリというか小粒に纏まった感は否めません。と贅沢なことをぬかしてみる(!)いやいや、そのじつ毎年恒例となった企画みたいでホントありがたいことです。他、『コールよりももっと遠く』近藤史恵、『楽園』湊かなえ、『片恋』さだまさし、の全7編収録。

2009年9月13日 (日)

オトナの片思い

オトナの片思いBookオトナの片思い

著者:石田 衣良,栗田 有起,伊藤 たかみ,山田 あかね,三崎 亜記,大崎 知仁,橋本 紡,井上 荒野,佐藤 正午,角田 光代
販売元:角川春樹事務所
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☆☆☆+


内容(「BOOK」データベースより)
誰かに恋したら、次にどうすればよかったんだっけ―。いまをときめく男女11人の実力派作家たちが紡ぎだす、切ない恋模様。珠玉の恋愛アンソロジー。


『フィンガーボウル』 石田衣良

小洒落たレストランでの食事シーンが何処となくセクシャルで甘美だな・・・って、もろ『村上龍料理小説集』の描写に影響されてますね。欲を言えば、もう少しメニューについて繊細な味覚表現をしてもらいたかったかな。


『やさしい背中』 山田あかね

あっけらかんと内に秘めた想い。相反する意味だがそんな印象。もう若くない自分を知っているからこそ自重する。まさにこの本のタイトルを地でいく話でした。以前アジアの数カ国を旅した時の、強烈な日射しと香辛料の匂いが甦った。


『小さな誇り』 大島真寿美

居心地のいい中年オヤジとの逢瀬を楽しみ、部下である新入社員にときめき、その間で恋することのバランスを見つけた女課長。この絶妙な距離感というのは、かの「フロイト理論」によって例えられますね。アザラシの話なんですが・・・。


『鋳物の鍋』 橋本 紡

アラサーの元主婦が働くコーヒーチェーン店の描写がいい感じ。最後に部屋でつくる鶏肉のポトフ風の料理。確かにル・クルーゼの重たい鍋にしっくり来る料理ですね。で、これは曖昧なままのエンディングがいいという例だと思う。


いくつかの話の中で女性主人公の思う相手は若い男であり、またその境遇もバツイチであったりと、似通ったシチュエーションになっている。そんな金太郎飴的な作家たちの発想には思わずニヤリとする。でも前向きで後味のいい話ばかりです。


他、『リリー』 栗田有起、『からし』 伊藤たかみ、『Enak!』 三崎亜記、『ゆっくりさよなら』 大崎知仁、『他人の島』 井上荒野、『真心』 佐藤正午、『わか葉の恋』 角田光代、の全11編を収録。


初出はすべて『料理通信』という雑誌の連載もの。「片思い」とは違う話もあったりするが、それこそオトナの解釈ということで・・・。

2009年8月16日 (日)

世界短編傑作集 3

世界短編傑作集 3 (創元推理文庫 100-3)Book世界短編傑作集 3 (創元推理文庫 100-3)

著者:アントニー・ウイン
販売元:東京創元社
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☆☆☆☆


出版社/著者からの内容紹介
短編は推理小説の粋である。その中から珠玉の傑作を年代順に集成したアンソロジー。3には、ウイン「キプロスの蜂」、ワイルド「堕天使の冒険」、ジェプスン&ユーステス「茶の葉」、バークリー「偶然の審判」、ノックス「密室の行者」、ロバーツ「イギリス製濾過器」、アリンガム「ボーダー・ライン事件」ダンセイニ「二壜のソース」、クリスティ「夜鴬荘」、レドマン「完全犯罪」の十編。全編に江戸川乱歩の解説、全巻末には中島河太郎の短編推理小説史を付した。


再読。


どうしても読み返したい作品が収録されているので手にとりました。実際読むのは中学生の頃以来ですね。海外ミステリに目覚めて創元推理文庫を読みあさっていた頃、本格派ミステリとは毛色のちがう「奇妙な味」というジャンルの作品が存在することを知ったのでした。その代表格が『二壜のソース』(ロード・ダンセイニ)です。


これまで読んだミステリにも最後の一行、衝撃の一行を売りにしている作品はいくつか在りましたが、わたしが最初に読んだ最後の衝撃の一行がこの作品だったと思います。そしてその結末はまさにぞっとするというか、まさか・・・そんなというか、初読した時分にもこういうのが大人の小説の結末なんだなと感じ入っていたと思います。


本書は世界短編傑作集として江戸川乱歩が編者となって紹介され、既に五十版以上の重版となっている名作集です。既読の方も多いかと思います。どれも粒揃いの古典名作であり、色あせることのないトリックやテイストが堪能出来ます。


他、全十編収録。

2009年8月 1日 (土)

赤に捧げる殺意

赤に捧げる殺意 [本]赤に捧げる殺意 [本]
販売元:セブンアンドワイ ヤフー店
セブンアンドワイ ヤフー店で詳細を確認する

☆☆☆


出版社 / 著者からの内容紹介
豪華著者によるミステリーアンソロジー決定版!
火村&有栖が、メルカトル鮎が、狩野俊介が! なだたる名探偵たちが不可解な謎に挑む!! 豪華執筆陣が贈る、緻密かつ精密な論理の迷宮への招待状。超絶アンソロジー第2弾登場!


『砕けた叫び』 有栖川有栖

タイトルが気が利いてて良かったな。というかそのまんまの表現なんですが・・・。二時間ドラマを早送りで見たら多分こんな内容になるんだろうな。会話の端々に見受けられるとぼけた味も捨てがたいポイント。そしてラストのこれも衝撃の一行(?)なのでしょうか。こういったオチは結構好きですね。


『神影荘奇談』 太田忠司

大雑把に言うとこれはクローズドサークルである怪しい洋館へこちらから探索に出向くという、不安と期待にわくわくさせられるストーリーに引きずり込まれます。一方でミステリ作家にありがちな文章力の弱さが気になったりする。がしかし、この謎解きはどうなるのだろうという興味が一番盛り上がったのもこの話でした。


『命の恩人』 赤川次郎

前のとは逆に冒頭のアクシデントをスピード感のあるタッチで一気に読ませ、そのあとゆったりと緩急をつけた文体。じわしわと迫り来る心理サスペンスの匂い。それに小洒落てるし。やはり大作家の筆はちがう(!)といきなり感心させられる。そしてこんな短編なのにたっぷり二時間ドラマを見たボリューム感があるし。はっきり格のちがいを見せつけられました。


他、『トロイの密室』 折原 一、『時計じかけの小鳥』 西澤保彦、『タワーに死す』 霞 流一、『Aは安楽椅子のA』 鯨 統一郎、『氷山の一角』 麻耶雄嵩、の全八編収録。あっと、シリーズ第一弾の『青に捧げる悪夢』というのがあるらしい。またしても順番間違えましたが、アンソロジーだしここは大目に見るとする。

2009年6月22日 (月)

本当のうそ

本当のうそBook本当のうそ

著者:石田 衣良 他
販売元:講談社
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☆☆☆


内容(「BOOK」データベースより)
優しいうそ、切ないうそ、悲しいうそ…。今、もっとも注目を集める12名の作家たちによる「うそ」をめぐる珠玉の物語集。


ついていいうそ、悪いうそ・・・なんて当事者が勝手に決めることであって。
うそも方便、とまでは言いませんがなるほどなあと納得出来たり、何だかなあと首を傾げたりでした。


この本を読んでみて思ったこと。
まず、うそはついた方がその業を背負うという当たり前のこと。
そして、うそをつかれた方はと言えば、それがうそだと判った時にどう思うかだな。


ああやっぱり、何でわたしが、ふざけんじゃないわよ・・・色々ありますが。
辛口でコメントすれば、あんたそんだけの人だった訳よ。他に何んにもない。
でなきゃ、あんたにうそはつかない筈です・・・ここ冷静になって考えてみて下さい。


と言うのも、最近わたしもうそつかれました。
もう数年来、疎遠になっていた人から突然の連絡によってですが。


そんなのは一切無視するシステムを構築しているのですが・・・いるんですね時たま。
どこで調べたのか、個人用携帯に・・・しかも仕事で移動中・・・当然勤務中に・・・当人は酔っぱらい状態でかけて来る。


そんな嫌な事を思い出し(←実感しながら)つつ読了しました。
よって、各作品のストーリーやキャラうんぬんより、「うそ」のつき具合だけに注目した次第です。


何だか勝手に荒れてしまいすみませんでした。

2009年6月19日 (金)

エロティシズム12幻想

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エロティシズム12幻想 (講談社文庫)
監修:津原泰水
販売元:講談社
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☆☆☆


内容(「BOOK」データベースより)
あどけない恋人の欠片。和服の美女がかいま見せる狂気。魔性との交わり。有栖川有栖、菅浩江、京極夏彦ら現代の名手が、エロティシズムをキイワードに筆をきそう。激しく、艶やかに彩られた12の物語が、読者の心に潜む願望を甘く導くそのさきには…。忘我のむこうを感じさせてくれる極上競作集、第一弾。


『恋人』 有栖川有栖

これは軽井沢というロケーションが爽快感のあるイメージを植え付ける。
なので三十男があどけない少女に夢中になる「ロリータ」を彷彿させるストーリーもさらっと読ませる。
回想録の語り口で綴られる主人公の穏やかな表面と熱く激しい内面の描写が上手いな。


『和服継承』 菅 浩江

和服の醸し出す色気はやがて狂気へと昇華するのか・・・。
主人公の「私」と叔母の間に繰り広げられる扇情的な着付け様子。
血筋により受け継がれるそれを、ぞくっとするようなエロティシズムで読ませます。


『サンルーム』 新津きよみ

このアンソロジーにあって比較的現実味があり、ほのぼのとした話になるのかと。
思いきや、人妻の白昼夢がどんどんエスカレートしたなれの果てか・・・。
最後のオチには得体の知れないリアリティがあった。


『アルバトロス』 津原泰水

この本の編者による傑作といっていいほどの出来かと思います。
それは読んでいて禁断の愛への刺激と倒錯した世界観の中にいる心地好さ。
幻想小説の何たるかを鋭利な文体で味わうことが出来る。


以上がわたしの感性に引っ掛かった作品です。他の話はまあそれなりに・・・。
全十二編になる作品群なので、好みのはっきり分かれるものもありました。

2009年4月23日 (木)

Story Seller Vol.2

Story Seller Vol2 2009年 05月号 [雑誌]BookStory Seller Vol2 2009年 05月号 [雑誌]

販売元:新潮社
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☆☆☆


内容説明
伊坂幸太郎、近藤史恵、有川浩、佐藤友哉、米澤穂信、本多孝好、沢木耕太郎という現在を代表する7名のストーリー・テラーたちの最新作を一挙掲載!
☆全て書き下ろしの読み切りです。
☆それぞれ400字詰原稿用紙換算で、80枚~160枚くらいの中篇です。
☆近藤史恵氏の作品はファン待望の「サクリファイス」の外伝です!
☆読み応えは長編並、読みやすさは短編並をこころがけました。
☆Vol.1は新潮文庫「Story Seller」として絶賛発売中です。


乗り継ぎ駅の本屋を何気なく覗くと・・・あった!
えっ!?色が違うなと思い手にとると、それは予想だにしなかったVol.2の文字が!


そうです、昨年わたしを感動のエンタテイメントで打ち震わせた『Story Seller』の第二巻に他なりません。


『マリーとメアリー ポーカー・フェイス』沢木耕太郎

タイトルからしてバタ臭い酒場の女の話かと連想していた。
当たらずとも遠からずという所だが、まさかこう来るとは・・・でした。


『合コンの話』伊坂幸太郎

これはなかなか捻りの利いた話でしたね。
サスペンス仕立ての展開を匂わせつつ、一転、意外で感動的なエンディングにしてやられる。


『レミング』近藤史恵

自転車ロードレースものを描いた人間関係が主軸のストーリー。
『サクリファイス』という青春ミステリのスピンアウトものらしい。


『ヒトモドキ』有川 浩

地球外生物のことかと思っていたら、全然ちがいました。
近年この手の人のニュースを目にしたりして・・・後味のいい話とは言えませんね。


『リカーシブル』米沢穂信

いかにもこの著者らしいストーリーで安心して読めました。
しかし、この姉弟のキャラと微妙な空気の描き方はさすが。好きだなあ。


『444のイッペン』佐藤友哉

オレこと土江田と女子高生探偵赤井の「東京タワー」コンビ復活!
前作をもじったタイトルは大目に見ましょう。で、デビッド・カッパーフィールドばりの消失事件に挑みます・・・が。


『日曜日のヤドカリ』本多孝好

父娘の絆についての話だと思う。見せ方は変化球だったとしても。
ミステリ仕立ての謎の部分は見え見えたが、今どきの小学生のしっかり具合には感心した。

今回もわたしの贔屓にする作家二名の作品もピックアップされており、タイトルだけ見てもわくわくしたり、冗談かよ(←前回読んでればわかる)と思ったり、手にしただけでアンビリバボーな気分に浸ってしまいました。

2009年3月28日 (土)

不思議の足跡

不思議の足跡  最新ベスト・ミステリー (カッパ・ノベルス)Book不思議の足跡 最新ベスト・ミステリー (カッパ・ノベルス)

著者:日本推理作家協会
販売元:光文社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆☆☆+


内容(「BOOK」データベースより)
小説短編集は売れないと言われる。複数作家によるアンソロジーとなると、さらに敬遠されがちになるのが実情だ。かく言う筆者も、どうせ読むならドシンと重たい長編を、と思ってしまう。が、ご存じだろうか?世に傑作と謳われる映画の多くは、短編小説を原作としている事実を。発想と構成という点において、作り手が投入するエネルギーは長編も短編も変わらないのだということを。本書に収録された玉編の中に、十年後の伝説が潜んでいる可能性は十分にある。決めるのは時間、確かめるのはあなただ。


『吹雪に死神』伊坂幸太郎

『酬い』石持浅海

『あなたの善良なる教え子より』恩田 陸

『ナスカの地上絵の不思議』鯨 統一郎

『暴君』桜庭一樹

『隠されていたもの』柴田よしき

『東京しあわせクラブ』朱川湊人

『とまどい』高橋克彦

『八百万』畠中 恵

『オペラントの肖像』平山夢明

『ロボットと俳句の問題』松尾由美

『箱詰めの文字』道尾秀介

『チヨ子』宮部みゆき

『悪魔の辞典』山田正紀

『Do you love me?』米澤穂信


本格ミステリの定番である吹雪の山荘ものの『吹雪に死神』では、意外な語り手の正体が捻りを利かせている。謎解きよりそっちの方が和みました。


『ナスカの地上絵の不思議』はストーリー自体よりバーで摘みに出て来るウニの蘊蓄が良かったな。しかしこういう所でこういうテーマ(ナスカ)を語るのは心地好いだろうなあ。


紗沙羅の強烈キャラに圧倒される『暴君』。こんな横幅以外美少女って居そうで居ないって奴か。一度お目にかかりたいもんです。


とっておきのファンタジーとして繰り出される『チヨ子』は、ほんわかとしたいい話だった。ちなみにわたしのぬいぐるみはクマの「ゴロ」でした。


本格ミステリにホラーにファンタジーにと幕の内弁当よろしくバラエティ豊かな十五篇。ミステリもので一度にこれだけのテイストが楽しめるのがアンソロジーのいいところ。長編小説の合間を縫ってちびちびと読了しました。

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