イケ・池永 陽

2012年11月12日 (月)

指を切る女

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☆☆+ 著者:池永 陽 販売元:講談社 発売日:2003/12/10

内容(「BOOK」データベースより)

女って、こんなに哀しいの?強く見せても、キツく見えても心の炎は揺らめきどおし。身を投げだして鮮烈に生きる4人の女たちの物語。

『骨のにおい』

女にとって男を見る目の大事さがよくわかる話だ。それにしても情け容赦ないラストはどこかコントの落ちに似ている。

『真夜中の紙芝居』

う~む。これは何処かシュールでいてかつ現実味のあるストーリー。という事はつかみ所の無いという事か(笑)印象薄目でした。

『悲しい食卓』

お好み焼きネタという地味ではありますが、男の気持ちがストレートにわかりやすい。ま、こういうエリート銀行員なんかに有りがちなのか。

『指を切る女』

タイトルからイメージしていたのは指切りげんまんに絡めた話。男の純情を次々に裏切るみたいな…ところが、えらい思い違いでした。むしろ鬼気迫る話でした。

どれもどんよりとした閉塞感のある似通った4話。そして甲斐性がなかったり、マザコンだったり、ぐうたらな男たちが登場する。それはみんな夫という設定ですが(笑)

2010年2月17日 (水)

夢ほりびと

夢ほりびとBook夢ほりびと

著者:池永 陽
販売元:文藝春秋
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☆☆☆

内容(「BOOK」データベースより)
ここは、誰かにいじめられて逃げこんできた人ばかり。世間から見放され、朽ち果てた屋敷に集まった心よわいアウトローたちの再生の物語。

家を出てみてわかること…ってそんな単純なものでも無いみたいだ。ここにいる連中の抱えているものは。で、煉瓦屋敷の庭で穴を掘り始めるのだが、それに対しての理由をこじつけながらうんぬんかんぬん。そしてそこに夢はあるのか(!?)。

女房の浮気を勘繰るリストラ男に虚言癖なプロサーファー、借金取りに追われる夫婦にボケつつある殿様老人。そんな面々とこのゆる〜い生活共同体にいると人間駄目になっていく。のはずが何故かプラス思考になり再生されるみたいです。

その中にあってリストカット女子高生がいい味出してるなあ。ネガティブキャラなのに言ってる事はしごく真っ当だったりする。で、ストーリーも全体的に淡白で薄味の小説という印象かな。ま、そんなところも心地好かったりするのですが。


2009年3月 3日 (火)

ひらひら

ひらひら (集英社文庫)Bookひらひら (集英社文庫)

著者:池永 陽
販売元:集英社
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☆☆☆


出版社/著者からの内容紹介
常巳22歳、ちんぴらヤクザ。伝説のヤクザ・腕斬り万治さんと出会い、本物の男になろうと決意するのだが…。『コンビニ・ララバイ』の著者が贈る、切なくやさしい人間賛歌。


お人好しのチンピラと同棲相手の心やさしき年上女。

出所した伝説の博徒への憧れと失望。

ヤクザ社会の理不尽な上下関係。


都会の片隅で生きるものたちの薄っぺらな人情ドラマ。

ひと言で括ればそれだけ。


この世界のテーマは苦手だが、

全編に感じるチープ感が気軽に読ませる。

2009年2月17日 (火)

花淫れ

花淫れBook花淫れ

著者:池永 陽
販売元:角川書店
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☆☆☆☆


内容(「BOOK」データベースより)
「我慢して栓の役目に徹してくださいね」美しい妊婦から、羊水が漏れないように“栓男”になることを頼まれて…。―「胎内浪漫―栓男の懺悔」。革製鞄を抱えて日本中を旅する“箱男”。その革の箱には、美しくも恐ろしい秘密が詰め込まれていた。―「狂い箱―箱男の狂気」。露天風呂で出会った片腕の男に女にされた千津。歓喜に打ち震え、全身を“待つ女”の色に染めて…。―「かたわれ心中―待つ女の涙」。流れ彫師の義父に刺青を彫られた少女。彼女に恋をした少年は、やがて彼女の“鍵男”として…。―「聖女綺譚―鍵男の純情」。


『胎内浪漫』 栓男の懺悔

洋館で双子の子供と暮らす桜子。その妖艶な魅力に写真職人の静夫は虜となり、ワン切り電話で呼び出される日を待つ。そして、桜子の頼みで大切な役目を果たすために出かける日々。男の子と女の子の双子がとても印象に残り、なるほどこういう伏線があったのかと。舞台になる雑司ヶ谷、鬼子母神界隈の雰囲気を「烏」を介して見事に表現しています。ここよく知ってる場所なんで。


『狂い箱』 箱男の狂気

英国ブランド、グローブ・トロッターの鞄が重要な役割で出て来る。マニアックな緑色です。中学生の純一は向日葵屋敷で不思議な魅力の大人の女、亜由と出会う。逢瀬を重ね愛し合うようになるも、三年後の再会を約束して別れる。くだんの鞄がつまり箱であり、その中に入っているものは・・・まさか、と思っていたが想像を絶する展開に。向日葵屋敷にあるものがこんな仕掛けになっているとは。上手いなぁ。


『かたわれ心中』 待つ女の涙

混浴の湯治場で・・・こんなことが。しかも、そこから愛がはじまるなんて。いきなりな展開に口あんぐり。はすっぱな男が相手役だからでしょうか、お嬢の千津の描かれ方も今ひとつその様子がわかりにくい。好きな男と身も心もひとつになるというのは聞きますが、この話は体だけひとつにという身勝手な願望。緊張感もなく、無難な二時間サスペンスドラマの台本のよう。


『聖女綺譚』 鍵男の純情

顔色の悪い男の昔話がはじまる。田舎の中学校に転校して来たその娘は、少女から大人になる瞬間の悲しくなるほどの美しさをたたえていた。それが雅と季世の出会いだがすぐ引き裂かれる運命に。そして季世のいう「鍵男」の意味するものは・・・。ミステリアスな秘密の真相にも興味をそそられるが、二十数年ぶりの再会で当時の面影を残しつつも少女という範疇から遠く離れてしまった、と季世を評する雅の気持ちよくわかる。そして顔色の悪さは・・・あ、なるほどそういうことか。


この著者の作品でこれまで濡れ場や色っぽいシーンを幾度か読み、上手く描くなと思っていたが、これほど淫らさをまとったエロティックな表現は初めて。版元コピーにある「谷崎のように淫靡で、乱歩のように猟奇」に偽りなし。読むに連れ不思議な心地好さに浸れる。

2009年2月 9日 (月)

珈琲屋の人々

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著者:池永 陽
販売元:双葉社


☆☆☆


内容(「BOOK」データベースより)
ちょっと、温まっていきませんか?淹れたての、熱いコーヒーを飲んで。東京。下町の商店街にある喫茶店『珈琲屋』。そこは、心に傷を負った者たちが集まる交差点。さまざまな人間模様を、情感溢れる筆致で描いた連作集。


下町の商店街にある喫茶店で織りなすさまざまな人間模様。心に傷もつ者たちが一杯の熱いコーヒーで温まっていきます。情感溢れる連作七編です。


『初恋』

主人公で珈琲屋のマスター行介のプロフィールと幼なじみの冬子と島木の紹介。人殺しの過去をもつ行介と事件の真相、被害者の妻珠美、そして冬子も嫁ぎ先から離婚されていた・・・。商店街の面々の現在までの人生をフラッシュバックします。


『シャツのぬくもり』

クリーニング店の主人の浮気話に関する夫婦のいざこざ、嫉妬に我を忘れた妻の殺意を止めたものはやはり・・・。


『心を忘れた少女』

両親の自殺話を耳にした和菓子屋の看板娘は女子高生。援助交際で稼ぎ家庭の危機を救おうとするが、未遂に終わり新たな問題が。行介が説教おやじになります。


『すきま風』

商店街のカラオケグループのマドンナ志麻子を巡る男たちの鞘当て。興味を惹くストーリーですが女の正体をはっきりさせず、結末も読者にゆだね過ぎた感があります。愛するものへの介護疲れという問題にも切り込んでいます。


『九年前のけじめ』

行介が殺人を犯した原因となった少女の彼氏の筋違いの復讐話です。ここでも冬子が重要な役割を果たし、新たな秘密が暴露されます。


『手切れ金』

洋品店の主人で行介の幼なじみ島木と浮気相手千果との手切金の折衝話です。コミカルな会話のやりとり、千果のゆるいキャラが絶妙です。


『再恋』

あの事件へのけじめに悩む行介のもとに珠美の新しい男がやって来る。いざ「決闘」となり珠美と子供を巻き込みその決着は。冬子との関係も余韻を残しこの先を匂わせて終わっています。


商店街を舞台に、そこで生活する人々を中心に描かれているためか、狭い世界でのストーリー展開は仕方ないかと思いました。が、この著者の持ち味であるイマジネーションを豊かにする文章の幅が、思ったほど感じられなかったのが残念です。

コンビニ・ララバイ

コンビニ・ララバイBookコンビニ・ララバイ

著者:池永 陽
販売元:集英社
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☆☆☆☆


内容(「BOOK」データベースより)
心配ないからね。全部見失っても、愛にはぐれてしまっても、やさしく包みこんでくれる人が、きっといるはず。小説すばる新人賞から3年半、心に滲みる7つの物語。


妻の「賑やかだが乾いているから」という言葉ではじめたコンビニ。その妻も、先に亡くしたわが子とおなじ向こう側へ行ってしまい、ただ惰性で店を経営している幹郎。そんなコンビニ『ミユキマート』にやって来る訳あり(でもない人もいる)の人たち。


昔気質のやくざ者、夢追うやさし過ぎる男、ネクラな劇団員の女、いまどきの女子高生などにまつわるエピソードが、幹郎の誠実な人柄と交錯しながら展開していきます。店員の治子、何話かに登場する亡きわが子そっくりな男の子、この二人が絶妙な役割を果たしています。このあたりに著者のプロットに対するセンスを感じます。


各話のエンディングで店にかかわった男女の未来を希望や期待を暗示させ終わっていますが、老カップルのストイックな恋愛の形を描いた最終話だけは、はっきりとした現実をもって締めくくられます。涙腺緩みました。


ゆらゆら橋から

ゆらゆら橋からBookゆらゆら橋から

著者:池永 陽
販売元:集英社
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☆☆☆


出版社 / 著者からの内容紹介
注目のストーリーテラーが紡ぐ男の恋心。先生に憧れた小学生のころ。淡い初恋の中学時代。恋を重ね、大人になってゆく。就職、結婚、浮気、子供が生まれる。いくつになっても男は恋心にゆらぐ。『コンビニ・ララバイ』の著者が詩情豊かに描く。


小学5年生の健司が成長とともに出会う女性たち。淡い慕情や恋愛感情を10代〜50代にかけて描き、8話の短編連作となっています。


第2話「林檎色の血」と第6話「余分なめぐり逢い」で同じ愛情表現が異なった形で描かれているが、一方は美しく感動出来、もう一方は読んでいて気分が悪くなる程、デリカシーに欠ける表現です。


また、ミステリアスな小道具の秘密も何となく判ってしまう。この辺り少し残念。健司が40代以降のエピソードには近年の家族、夫婦の諸問題を切に感じるストーリーとなっており、ここでいま現在に至る。少なくともエンディングは前向きな姿勢です。

2009年2月 8日 (日)

水の恋

水の恋 (角川文庫)Book水の恋 (角川文庫)

著者:池永 陽
販売元:角川書店
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☆☆☆+


出版社 / 著者からの内容紹介
親友の死は、事故? 自殺? あるいは……。気鋭の力作長編。
今は亡き親友と妻との過去に疑心暗鬼になりながらも、その親友の死因を突きとめるため、昭はたびたび飛騨の山奥を訪れるが……。そこで明るみになった驚くべき真実、家族のあり方に対する深い洞察。気鋭の力作長編。


リストラの気配を感じるサラリーマン昭。学生時代からの親友洋平と映里子の三角関係、不幸な事故によるその親友の死と妻となった映里子への不信感、そして親友が死ぬ間際に釣り損ねた伝説の人面魚がストーリーの主軸となります。


昭の、妻映里子への不信の原因があまりにも在り来たりな事件で、ここまで悩むという事に違和感を覚えました。劇中話のように展開する、昭夫婦が訳あって預かった少年卓也との疑似親子生活。その卓也の本当の母親へのやり切れない心情には複雑な気持ちになりました。そして悲しい結末。


昭が洋平の故郷であり人面魚の生息する飛騨へ訪れる度に登場する、洋平の妹由佳のキャラは最近読んだ小説の中でも際立った存在でした。日に焼け男言葉で乱暴に喋り、その実色白で美形だという、登場する度にその魅力が増幅していきました。


そして由佳の中学校の恩師が語る「男と女の間には一緒になるか別れるか、二者択一しかありません」という言葉がこの物語に登場する数組の男女関係に説得力をもたせています。


終盤ついに運命の人面魚と対峙した昭の見たものとは、その場面のメルヘンチックですらある情景と静かな結末にはこのストーリーでしか味わえない、不思議な感覚に包まれました。やがて、洋平と映里子への疑惑の真相を知った昭は・・・。


この昭のように男との信義に厚く、女との距離のとり方も上手い、誠実で鼻につかない主人公の在り方は、くせ者の登場人物たちと対話する場面でさらに好感がもてました。男と女、親と子、人と人の「間」を描いた物語で絶妙なタイトルだと思います。

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